日本話し方センターのベーシックコースでは、受講生が毎回、教室の前に立って2分間のスピーチをします。
このスピーチ実習を終えた後、大抵の受講生の方は、少し残念そうな表情をします。
感想を聞いてみると、
「途中で原稿が思い出せず話が飛んでしまった」
「あがってしまい手足が震えた」
など、しきりに反省点を話されます。
とても謙虚な姿勢ですが、ちょっともったいないなぁ、という気がしています。
日本話し方センターの講師は受講生に「ぜひご自身のよい点を見つけてください。」とアドバイスしています。
「自分で思っていたよりも落ち着いて話ができました。」
「少し高い声で話したら話しやすくなりました。」
というように、自分で前よりもよくなったところ、できたところを見つけて、それを言葉にして欲しいのです。

自分の長所を探して、それを言葉にすることで、話し方のトレーニングに積極的に取り組めるようになります。
そもそも話し方教室の受講生は、話すことに何らかの苦手意識を持っています。
なので、その苦手なことを3ヶ月も続けることには、少なからずストレスが伴います。
そのストレスを軽減し、やがて楽しみに変えていくには、成長を実感することがどうしても必要です。
しかし、残念なことに、人は物事のよいところよりも悪いところに目が行き勝ちです。
何かを学んだり身につけたりする過程では、自分の理想とする姿と比べて、今の自分のできていないところばかりを意識してしまいます。
そして、いつまで経っても理想の姿に中々近づけないので、途中で学ぶことをあきらめてしまします。
人は、何かと比べてその差を認識することではじめて物事を理解できます。
例えば、就職してはじめて給料をもらうと感激すると思います。
この時点ではその給料が高い、低いということは考えません。
ところが、学生時代の友人の給料がいくらかわかった時点で、自分の給料が高い、安いという意識が生じます。
このように、人は、何かを認識するためには他のものと比べたがるものです。
従って、話し方のトレーニングの過程で、理想の姿と今の自分を比べたくなるのはごく自然なことです。
問題は、理想の姿と比べると、励みにならずストレスになってしまうということです。
前向きな気持ちになるように比べるなら、昨日の自分と今日の自分を比べるべきです。
そして、その比べた結果、よくなったところ、できたところを見つけるべきです。
先に述べたように、人は意識して見つけないと、自分のよい点をなかなか認識できません。
そして、よい点を見つけたらそれを言葉にすることで、自分の意識にしっかりと落とし込めます。
講師もスピーチ実習では、まずよかった点を受講生にお伝えています。
それに加えて自分でもよい点を見つけることを続けていけば、それが自己肯定感につながり、成長努力を続ける源泉になります。
ぜひ昨日の自分と今日の自分を比べて、自分の成長したところを言葉にしてください。
日本話し方センターの各コースでは、講師が受講生のよい点、よくなった点をきちんと伝えた上で更によくなるには、という観点でアドバイスしています。
それがとても励みになったという受講生が数多くいらっしゃいます。
そうしたことも含めて受講の成果をぜひ「受講者の声」でご確認ください!