日本話し方センターのベーシックコースでは全12回の最終回に受講生全員が「この教室で学んで得たこと」というテーマでスピーチをします。私は全ての最終回に出席してこのスピーチを聞かせてもらっています。「人前で堂々と話しができた」「人と話をすることに積極的になれた」「上司にわかりやすく話せるようになったとほめられた」など、感銘を受けるスピーチがとても多いので私は毎回楽しみにしています。
ところでなぜ私はこのスピーチに感銘を受けるのでしょうか。話の内容も感動的なのですが、それとともに話し方にとても魅力を感じるからだと私は思っています。今回は聞き手に感銘を与える話し方のポイントを解説します。

聞き手に感銘を与える話し方のポイントの1つ目は「聞き手に語りかけるように話す」ことです。
大きな声で元気よく話すというのもよいのですが、より感銘を与えるのは聞き手一人ひとりに語りかけるように話すことなのです。人前で話す時、集まった人全員に対して話すことを意識すると自然に力が入って演説口調になってしまいます。もちろんそうした話し方でも聞き手をひきつけることはできます。しかしこの話し方は場合によっては偉そうに見えることがあります。そう思われてしまうと話を聞いてもらえません。
それよりも集まった人の中の一人を見てその人に語りかけるように話をし、次に別の人一人に語りかけるように話をするという手法は聞き手に親近感を与えます。特に昨今は力強くメンバーを引っ張るリーダータイプの話し方よりも、親しみを感じさせて人を惹きつけるような話し方の方が聞き手の共感を得られやすい傾向があります。大勢の前でも一人ひとりに語りかけるように話すと、好感が持たれ、その分とても伝わりやすくなるのです。
最終回のスピーチで「上手いなぁ」と思う人は、この語りかけるような話し方で話す人が多いのです。
聞き手に感銘を与える話し方のポイントの2つ目は「体験をもとに話す」ことです。
ベーシックコースの受講生は、単に教室で講義を聞いて実習をするだけではなく、学んだことを職場や家庭で実践してもらいます。そして最終回のスピーチではその体験談を話してもらっています。
・上司から「君の話はわからない」と言われていたが、何が言いたいかをはじめに話すことを実践したら「わかりやすくなったね」とほめられた
・極端な人見知りだったが、教室でのスピーチ練習で勇気が湧き、職場の人と積極的に話すようにしたら、リラックスして会話ができるようになった
・教室の実習で身につけた「大きな声で堂々と話す」を職場で実行したら、上司から信頼されるようになった
このような成功体験は、自信を持って語れるので自分でも「話したい」と思えるのです。その分説得力がある話になるのです。
成功体験に限らず、自らの体験談は話しやすいし聞き手にもわかりやすい話になります。日頃から体験談のネタをストックしておくと話の幅が格段に広がります。
そして3つ目は「具体的に話す」ということです。
上の体験談の例はスピーチのテーマを紹介したものですが、実際のスピーチでも「極端な人見知りだったが、教室でのスピーチ練習で勇気が湧き、職場の人と積極的に話すようにしたら、リラックスして会話ができるようになった」という感じで話をしたらどうでしょう。聞き手は「以前はどんな感じだったんだろう」「どんな風に勇気が湧いたんだろう」「積極的に話すってどんな感じで話したのかなぁ」など色々と疑問が残るでしょう。それは、このような話し方では聞き手の頭の中に具体的なイメージが描けない=キチンと理解できないからです。わかりやすい話とは聞き手の頭の中にイメージが浮かぶ話です。
実際、このテーマでスピーチした受講生は次のような話をしてくれました。
「以前の私は『新藤さん、今度飲みに行きましょうよ』と誘われても何と言っていいかわからず、顔を真っ赤にして黙ってしまっていました。しかし、教室でスピーチを繰り返しているうちに人前で話すことが恐くなくなってきたので、今では『いいですよ、行きましょう!』と言えるようになりました。そればかりではなく、『木村さんは何が好きなの?ピザかぁ。じゃあ、おいしいイタリアンの店、探しときますね!』と会話を続けることができるようになりました」
このようにその場の情景が浮かぶように話すと、聞き手にとてもわかりやすくなり、共感を得ることができるのです。
以上、聞き手に感銘を与える話し方のポイントを3つ解説しました。
日本話し方センターのベーシックコースでは、ここに書いたことも含めて、わかりやすく伝わりやすい話し方ができるようになるための知識をお伝えし、受講生一人ひとりに合ったトレーニングを行っています。
ぜひ一度無料体験教室にお越しください!