2日間集中コースでは、2分間のスピーチを作成して何度も声に出して練習する、スピーチ実習を行っています。
先日のコースのスピーチ実習で、受講生のMさんが次のようなスピーチ原稿を作成しました。

- D社から新規契約を取るために、電話をかけ続けている
- D社の担当のSさんは電話に出る度面倒くさそうで、面談のアポイントがなかなか取れない
- ある日、D社に電話をかけたところ、取り次ぎの人が保留にしなかった
- 「Sさん、Mさんから電話ですよ」「おお!Mさんからか。出るよ!」という声が聞こえてきた
- 私(Mさん)はずっとSさんに煙たがられていると思っていた
- しかし何度も電話をして話しているうちに、Sさんが私に親しみを感じてくれていたことがこの会話で分かった
- 思い切って、いつもより大胆に面談をお願いしたら、アポイントが取れた
Mさんはこのスピーチの主題(テーマ)を『アポイントが取れて良かった』としました。
私たちの話し方教室では、この話で最も言いたいこと(これを『主題』と言います)を短い言葉にして、スピーチの最初に言ってもらいます。
この主題に物足りなさを感じた私は
「なるほど。でも、もう少し深く考えると、この話から言いたいことが他にも幾つか出てくると思いますよ」
とアドバイスしました。
アドバイスを受けてしばらく考えていたMさんは、
「ああ、そうだ!私はこの時、何度断られても電話をかけ続けることが大事だな、と思ったんです」
と言って、主題を『やり続けることが成功につながる』に修正しました。
主題がしっくりくると、スピーチ全体に納得感が出てきます。
そして、活き活きとスピーチすることができます。
Mさんもこの主題に沿って原稿を見直し、とても説得力のあるスピーチをされました。
目次
1.『話すことは考えること』
実は私は、Mさんの最初のスピーチ原稿を見て、次のような主題(最も言いたいこと)の候補を思いつきました。
- 継続は成功につながる
- 人は自分が思うほど人を拒否しない
- 時には少し厚かましくなろう
- 相手の真意を読み取る努力をしよう
このように、一つの話から言いたいことはいくつも出てきます。
その中から自分が一番しっくりくるものを選び、その言いたいことに沿って話を整理することで、話は説得力があり、かつ、分かりやすいものになるのです。

2.あがり症も改善する
Mさんは、このコースに、あがり症を治して人前で堂々と話せるようになりたい、という思いで参加されました。
同じ思いで受講されている人は大勢います。
そして、あがり症を改善したいと考えている人は、『上手に話すテクニック』を身につけたいと思っている人がほとんどです。
しかし、あがりを抑えて堂々と話すためには、テクニック以上に大切なことがあります。
それは、話す前にしっかりと『考える』ことです。
日本話し方センターには
『話すことは考えること』
という考え方があります。
自分が話す内容に納得できれば、自信を持って話すことができます。
そのためには、話す内容を事前にしっかりと考える必要があるのです。
3.話す内容をしっかりと考える
話すことに苦手意識がある人は、話す内容を考えることをおろそかにしがちです。
苦手意識があるので、話すこと自体考えないようにしたい、と思う気持ちはよくわかります。
しかし、聞いている人を惹きつける話にするには、
①見たことや聞いたことについて、何を感じたか、なぜそうなったのかなどを考える
②その感じたこと、考えたことを話す
ということが必要です。
- 見聞きしたことについて何を感じたか、考えたか。
- それについて何を聞いている人に伝えたいこととするか。
いくら上手に話すテクニックを身につけても、話す内容をしっかり考えなければ、聞いている人に伝わる話にはなりません。
一方、事前にしっかりと考えて、自分が心から納得できる内容にできれば、話す際にあがったり言葉に詰まったりすることが少なくなります。
自分で納得できることは、積極的に「話したい」という気持ちになるからです。
あがり症を克服するためにも話す前にしっかりと考えることが大切なのです。

4.自分の話に自信を持つ
前述のMさんは、原稿を作った当初は
「こんなスピーチでいいのかな」
と自信が持てなかったそうです。
つまり、スピーチ原稿を作ってはみたものの、納得感は今一つだったのです。
そういう気持ちのままスピーチをしても、自信を持って話すことはできません。
「つまらない話と思われているのではないか」
という恐れにつながり、緊張が高まってあがってしまうからです。
しかし、自分で「これだ!」と納得できる主張を軸に話をすれば、気持ちが前向きになって迫力のある話し方になります。
その分、あがり症は抑えることができます。
テクニックを身につけることも必要ですが、話す上では気持ちの持ち方がより大切です。
そしてそのためには話す前にきちんと考えることがとても重要なのです。
5.考えるスキルを身につけませんか?
日本話し方センターのベーシックコースや2日間集中コースでは、話す前に何をどのように考えればよいか、講義と実習で受講生一人ひとりに応じたご指導をしています。
「目から鱗が落ちました!」と仰る受講生も少なくありません。
ぜひご受講ください!