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★人を動かす話し方
話す目的には色々ありますが、その重要なものの一つに、人に動いてもらうために話す、ということがあります。特にビジネスの世界では人に確実に動いてもらえるように話すことはとても大切ですね。このことについて、興味深いことが書いてある本があります。浅田すぐるさんというコンサルタントの著書で「すべての知識を『20字』でまとめる」という本がそれです。とても参考になることが書かれている本で、私は折りに触れて繰り返し読んでいます。その中に、人に行動してもらいたいなら「動詞表現」ではなく「動作表現」を使うということが書かれています。

★「動詞表現」と「動作表現」
私たちは、日頃から人や組織に動いてもらおうとして、話をしたり文章を書いたりしています。しかし、思い通りに人や組織が動かない、ということは実に良くあることです。話した意図がきちんと伝わらずに相手が違うことをしてしまったり、聞き手が話していることをきちんと理解できず、何度もやり取りするうちに時間が過ぎてしまったり。こうした質の高くないコミュニケーションのために、日常、私たちはかなりの時間をロスしているのです。
浅田さんは、その原因として、我々が「動詞表現」を多用していることを挙げています。「動詞表現」とは、「今期の目標を意識しよう」「整理整頓を励行しよう」というものです。一般的によく使う表現ですね。しかし、この表現では、何をどのようにすればいいのか、具体的な行動がわかりません。なので、実際の行動にはなかなか移せません。これに対して「動作表現」というのは、「朝出勤したら今期の目標を書いた紙を声に出して読もう」「帰宅する際は机の上に何も残さないようにしよう」というものです。浅田さんは、このような「行動に移せるレベルの表現」を用いるべきだと説いています。
★「わかるだろう」という思い込みは危険
人間の行動とは極めて具体的なものです。課長が課のメンバーに対して、単に「挨拶しよう」と言ってもメンバーは行動できません。「会社に着いたら、一人一人の顔を見て大きな声で挨拶しよう」などと5W1Hを含めて具体的に言えば、メンバーは挨拶をするでしょう。しかし、私たちは普段の職場で、この「挨拶しよう」レベルの抽象度の高い話し方をしていることがとても多いのです。それは、言った人は、この状況で「挨拶しよう」と言えば、会社に着いたら挨拶しろということだな、と自分で判断できるだろう、と思っているからです。しかし、他の人が自分と同じ判断をするだろうというのは単なる思い込みです。誰もが同じ判断をするとは限りません。だから、いくら言ってもメンバーが思うように挨拶をしない、ということが少なからず起こるのです。
人に行動を促す際には、ぜひ「動作表現」で具体的に伝えることを意識してください。
★日本話し方センターは「動作表現」でご指導しています!
ところで、日本話し方センターのベーシックコースや2日間集中セミナーでは、講師は「動作表現」で受講生の方々にアドバイスをしています。「家でスピーチ練習をしてください」ではなく、「家で声に出して、30回以上、時間を計ってスピーチ練習をしてください」と具体的な動作レベルで伝えています。また、「もう少し高い声で話した方が、声の通りがよくなりますよ」ではなく、「地声が『ド』の音だとすると、『ソ』か『ラ』の高さで話してください」とアドバイスしています。こうしたことも70年続いている日本話し方センターの強みです。その効果は多くの受講生が実感されています。ぜひ「受講生の声」をご確認ください!