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★会議で意見が出ない

日本話し方センターでは、話し方教室以外にも個別のニーズに応じてトレーニングを行うプライベートレッスンを行っています。先日、会社を経営されているCさんがプライベートレッスンを受けられました。20代で美容関連の会社を立ち上げ、約10年で会社を大きくされました。最近、同業の会社の企業売却や経営者の交代のお手伝いをすることが多くなってきたので、思い切って企業買収や事業承継などを手がける新事業を立ち上げようと思っておられます。そのためには今の事業の経営の大部分を社員に任せたいのですが、なかなか思うように任せられていない、とのお話でした。具体的には、会議などで社員に意見を求めても発言がなくて結局自分が決めてしまうとのことでした。

私:「なるほど。会議では社員にどういう風に意見を求めているのですか?」
C:「そうですね。先日も『これからネット広告をもっと打とうと思うけど、どう思う?』と聞いたんですけど、全然意見が出ないんですよ」
私:「会議で社員の皆さんが発言することはあるんですか?」
C:「いや、ほとんど意見を言わないので私ばかりしゃべってますね」
私:「Cさん、確かにそれだと意見は出にくいかも知れませんね」
この会話でCさんの会議の進め方にいくつか改善点があることがわかりました。今回は会議で参加者が意見を言いやすくするためにやるべきことを解説します。

★事前に論点を知らせる

1つ目は、会議の論点を事前に参加者に知らせておく、ということです。
上司が部下に意見を聞く時、突然「これ、どう思う?」と聞くことはよくあります。たいていの場合、上司はそのテーマについてずっと考えています。しかし、聞かれた部下は初めてそれについて考えるので答える準備ができていません。従って「いや、どう、と聞かれても・・・」という反応になることが少なくありません。会議でもその場で考えてもなかなか意見は思いつかないでしょう。なので、事前に「こういうテーマについて意見が聞きたいから考えておいて」と伝えておくようにしましょう。そうすれば考える時間ができるので、意見も出やすくなるでしょう。

★具体的に問いかける

2つ目は、何が聞きたいのか具体的に問いかける、ということです。
「ネット広告をもっと打とうと思うけど、どう思う?」という問い掛けは、漠然としていますし抽象的です。聞かれた社員は何をどのように答えればいいのかイメージできません。人は話をする時、具体的に頭の中にイメージができていないと話せません。例えば、「ネット広告をもっと積極的に使いたい。ターゲットは来店が少ない40歳~50歳代の女性に絞ろうと思うけどどうだろう?」と聞けば、社員も少しイメージしやすくなり、意見が言いやすくなるでしょう。

イメージしやすくするポイントは、できるだけイエスかノーで答えられる問いかけにすることです。40歳~50歳代の女性、ということばを聞くと、頭の中にどういう感じの人か少しイメージすることができます。なので、社員から「いいと思います」「いや、私はむしろ20歳代の女性にもっとアピールすべきです」などの意見が出やすくなるでしょう。そうした発言があれば、次に「なぜそう思うの?」とさらに問いかけてみます。そうすると、「私もその年代の女性の来店が少ないので、もっと増やせるはずだと思ってました」「我々の店の雰囲気は20歳代向けなので、その年代に絞って広告すべきです」などと話しが広がっていくでしょう。

問いかけはできるだけ具体的にして基本的にイエスかノーで答えられるようなものにしましょう。

★会議以外でも問いかけを意識する

今回は会議に絞ったお話をしましたが、私は、会議に限らず、これからのマネジメントは問いかけが重要になる思っています。社員や部下に問いかけることで自ら考えるようになり、そのテーマについて当事者意識が芽生えるようになるからです。しかし、やみくもに問いかけるのではなく、相手が答えやすいように工夫をしながら行わないと効果は表れません。ぜひ相手が答えやすい問いかけをすることを心がけてみてください。