「会議が長引いて結局何も決まらなかった・・・」

「いつも同じメンバーで堂々巡りの議論ばかり・・・」

ビジネスパーソンなら誰もが一度は経験する、会議の悩み。

特に、働き方が多様化している現代において、オフィスへの出勤と在宅勤務のバランス、新しいプロジェクトの進め方など、議論すべきテーマは山積みです。

しかし、ただ議論を重ねるだけでは、建設的な結論にはなかなか辿り着けません。

なぜなら、議論の前提となる「目的」が共有されていないことが多いからです。

今回は、この「目的意識」について、具体的な事例を交えながら解説します。

この記事を読めば、あなたも明日から「目的」を意識した議論とコミュニケーションを実践し、仕事の効率と人間関係の質を飛躍的に向上させることができるでしょう。

1.あるIT企業での議論:働き方改革の落とし穴

少し前に耳にした話です。

あるIT関連企業で、オフィスへの出勤と在宅勤務のバランスについて役員会で議論が行われました。

在宅勤務には、

  • 通勤時間の削減による心身の負担軽減
  • 集中しやすい環境での作業

といったメリットがある一方、出社には、

  • 社員同士のコミュニケーションの促進
  • 対面での意思疎通による感情面の把握

といったメリットがあります。

幹部社員は様々な意見を出し合い、今後の働き方について熱心に議論しました。

しかし、

「生産性向上のために完全在宅勤務にすべきだ」

「社員のコミュニケーションを維持するために週1回は出社すべきだ」

といった意見が対立し、議論は平行線を辿りました。

長時間に及ぶ議論に社員が疲弊し始めた頃、社長が口を開きました。

そもそも、私たちはどんな会社をつくりたいんだろう? 仕事を通してどのように成長し、その中でどのように楽しむのか、を考えよう

この一言がきっかけとなり、全員が納得できる働き方に関するコンセプトが生まれ、最終的に、生産性とコミュニケーションのバランスを考慮した、柔軟な働き方を実現するための具体的な施策が決定されたそうです。

目次

2.なぜ議論は迷走するのか? 「How」の議論に終始する危険性

私たちは日常的に、会議やミーティングで様々なテーマについて議論します。

しかし、上記のようなケースのように、議論が迷走し、なかなか結論が出ないという状況に陥ることが少なくありません。

その原因の一つとして、**「判断する基準や決め手がない」**という点が挙げられます。

例えば、今回の例のように、「在宅」と「出社」にはそれぞれメリット・デメリットが存在します。

それぞれのメリット・デメリットを比較検討するだけでは、いつまで経っても理想的な勤務形態に関する結論には辿り着けません。

なぜなら、これらの議論は、あくまで**「How(どのように)」**という手段のレベルに留まっているからです。

「How」の議論に終始するのではなく、視点を変えて、より上位の概念である**「What(何を)」、つまり「目的」**に焦点を当てる必要があるのです。

3.視点を変えて「What」を問う:目的思考で議論を活性化

議論が停滞した際には、視点を変えて、

  • 「私たちはどのような会社をつくりたいのか?」
  • 「どのような働き方を実現したいのか?」

といった、より本質的な問いを立ててみましょう。

これらの問いは、**「目的」**という言葉に置き換えることができます。

つまり、

  • 「何のためにこの会社を経営しているのか?」
  • 「何のためにこの働き方を実現したいのか?」

という**「目的」**を明確にすることで、議論の方向性が定まり、建設的な結論に繋がりやすくなるのです。

全社員が集まるイベントを企画する場合を考えてみましょう。

多くの場合は、「何をするか」「どう盛り上げるか」といった**「How」**にばかり焦点が当たりがちです。

しかし、イベントは、**「何かを達成するため」に開催されるはずです。

つまり、イベントには必ず「目的」**が存在するはずです。

  • 「何のためにこのイベントを開催するのか?」
  • 「イベント後、社員がどのような状態になっていたいのか?」

といった**「目的」**を明確にすることで、イベントの内容や企画を検討する際の判断軸が明確になり、より効果的なイベントを実現することができます。

 

4.コミュニケーションも目的が重要:良好な人間関係を築くために

「目的」を意識することは、会議やイベントの企画だけでなく、日々のコミュニケーションにおいても非常に重要です。

例えば、部下が仕事でミスをした場合、上司は感情的に

「なぜいつもミスばかりするんだ!」

と叱責してしまうかもしれません。

しかし、この場面で上司が**「話す目的」**を意識すれば、

「部下が二度とミスをしないように、成長を促すこと」

であることに気づくはずです。

その**「目的」**を意識していれば、

「期日通りに資料を作成してくれてありがとう。文章も分かりやすいね。
ただ、数字の見直しが不十分だったため、お客様に迷惑をかけてしまった点は反省してほしい。
今後は、細部まで注意を払い、ミスのないように努めてください。」

といった、建設的なフィードバックを与えることができるでしょう。

この話し方の方が、**「部下の成長を促す」**という目的に沿った、効果的なコミュニケーションと言えます。

雑談をする際にも、**「雑談をする目的」**を意識することで、コミュニケーションの質を向上させることができます。

また、雑談の**「目的」は、「相手との良好な人間関係を築くこと」**です。

この**「目的」**を意識していれば、

「私、セロリが苦手なんだ」

「え~! 美味しいのに! 損してるよ!」

といった、相手を否定するような発言は避けるはずです。

代わりに、

「私、セロリが苦手なんだ」

「あ~! 確かに独特な風味があるから、苦手な人もいますよね。」

というように、相手の感情に寄り添うような共感的な言葉を選ぶことができるでしょう。

5.まとめ:「目的思考」で仕事も人間関係も豊かに

「目的」を意識することは、

  • 会議での議論を活性化し、建設的な結論を導き出す
  • 仕事の効率を向上させる
  • 良好な人間関係を築き、コミュニケーションの質を高める

など、様々なメリットをもたらします。

日々の仕事やコミュニケーションにおいて、

  • 「何のためにこれをするのか?」
  • 「どのような結果を得たいのか?」

といった**「目的」**を常に意識することで、より充実したビジネスライフを送ることができるでしょう。

6.日本話し方センター:伝わる話し方を身につけて、目的を達成!

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