先日、就職活動を来年に控えた大学3年生のBさんにプライベートレッスンを行いました。

Bさんはインターなどの面接は何度も受けており、最終面接に進んでいる会社もありますがなかなか合格しないとのことでした。
「どうしてプライベートレッスンを受けたいと思ったのですか?」と尋ねると、「面接官の質問に対して答えは頭に浮かぶのですが、それをうまく整理して話せないんです」とのこと。
要望としては、
・言いたいことを整理して、結論から端的に話せるようになりたい
・どんな質問にも適切に回答できるようになりたい
・相手がイメージできるよう具体的に話せるようになりたい
ということでした。
早速、面接でよく聞かれる質問を幾つかしてみました。
私:「どういう仕事に就きたいですか?」
B:「ものの流れに携われる仕事、及び、経営にかかわる仕事がしたいと思っています」
私:「なぜ経営にかかわる仕事がしたいのですか?」
B:「私は常に目的、目標、手段を意識しています。経営はそれらを内包していると思うからです」
私:「・・・・」
私:「どういう働き方をしたいですか?」
B:海外を飛び回り、常にステータスを感じながら仕事がしたいと思っています」
私:「Bさんがステータスを感じる要素は何ですか? ポジションですか? 仕事の中身ですか? やりがいですか?」
Bさん:「ん~・・・、人にすごいと思われることでしょうか」
私:「・・・・」
確かに、抽象的で理解しにくい答えや今一つしっくりこない答えが続きました。しかし私が何よりも気になったのが、Bさんが感情を表に出さずに淡々と答えることでした。
私:「そうですね。Bさんの話を聞くと考えていることはわかってくるけど気持ちは伝わってこないですね」
B:「はい。できるだけ感情は抑えて話すようにしているんです」
私:「えっ!それはどうしてですか?」
B:「私の話を理解してもらえる様、できるだけ論理的に話したいと思っています。なので感情は抑えています」
私:「・・・Bさん、それはちょっと違うかも知れませんよ」
私は理屈やロジック、論理は人の心を動かすために使うものだと思っています。なぜならば人は判断したり納得したりする際に、必ず感情が動くからです。従って理屈では理解できていても感情的に納得できない場合、人はその理屈に従うことはまずありません。オーナー社長が会社の業績が思わしくなく、ある土地を売却しなければ倒産してしまうという場合に、その理屈はわかっていても、その土地への思い入れがとても強いために、土地を売るくらいなら倒産した方がマシだ、と売却に頑として応じないことも現実にあります。また、会社がその人を採用するかしないか判断する際、この人と一緒に働きたいと思うか、ということを重視することも否めない事実です。人間は良くも悪くも感情の動物だということですね。
なので、採用面接でも適切に感情を表すことで面接者に人柄をわかってもらえますし、話しに共感してもらいやすくなります。幸い、Bさんは私の話を理解したようで、「感情豊かに話をしないといけないんですね」と言ってくださいました。これから何度かプライベートレッスンを行う中で、Bさんの考えていることを整理すると同時に、相手に伝わる話し方をアドバイスしていきます。
日本話し方センターでは様々なご要望にお応えするために、プライベートレッスンを受け付けています。ご興味のある方は、お問い合わせフォームからご連絡ください。