苦しいことや悲しいことに直面した時、昔から人間は神様や仏様にお祈りをしてきました。私も大きな問題や悩みを抱えていて本当にその問題を解決したい、その悩みから抜け出したい、と思った時は、毎日神様にお祈りをしています。そのためかどうか、今まで多くの問題や悩みを解決することができています。

私は「祈る」ということにはとても大きな効果があると思っています。しかし、超常現象や神仏の霊験を信じたりするわけではありません。人は「祈る」時に必ず自分の願望を言葉にします。この言葉にすることがこそが「祈る」効果の源泉だと思っているのです。

祈る際に人は願いを言葉にします。それは神様に言っているようで、実は自分に言い聞かせているのです。毎日祈れば、その願いが毎日言葉となって自分の頭に残ります。そうすると、その言葉が自分の潜在意識に働きかけ、願いの実現につながる言動を自然にしているのではないか、と思うのです。言葉にすることで、自然とその実現につながるように考えたり行動したりするようになる。言葉が潜在意識に働きかけ、自らの願いを実現させる。そういう作用があると思っています。また、顕在意識にも常にその願望がセットされているので、その実現に必要な情報が集まり、チャンスを逃さずに行動する確率が高まります。

ところで、学校の先生やセミナー講師がよく言う言葉に「授業やセミナーを行うと、自分自身がとても勉強になる」ということがあります。これも言葉にすることの効果を物語っている例です。先生や講師は自分で話しながら自分の話を聞いています。そして、自分の口から出た言葉に「あっ、そういうことか!」と自ら気付くことがあるのです。先生や講師は授業や講義で話す内容について、自分でも気付かずに四六時中潜在意識の中で考え続けています。その潜在意識で考えていることが、授業やセミナーで一所懸命に話しているうちに言葉となって表れることがあります。その時、先生や講師は「あっ! 自分はそういうことを考えていたのか!」と気付くのです。これなども言葉にすることの大きな効果です。

ところで、話しが得意ではない、という人は世の中にたくさんいます。その原因の一つに、そうした人は普段から考えていることや見聞きしたことを言葉にしていないということがあげられます。従って、そういう人は口に出さなくてもよいので自分の頭の中で考えていることや見聞きしたことをできるだけ言葉にするとよいでしょう。例えば、テレビでドラマを見ている時、「どうしてこの人は相手の問い掛けに答えなかったんだろう」「自分もこれと同じような気持ちになったことがあるなぁ」など。常に頭の中で自分に話しかけるように言葉にしてみるのです。それを習慣にすれば、話しが苦手、言葉がすぐに出てこない、ということは段々解消されていきます。

このように言葉というのは私たちが普段考えているよりも遙かに影響力があるものなのです。ぜひ日常の中で機会を捉えて自分の想いや考えを言葉にしてみてください。