全国的に感染者数がかなり減少して来ています。しかし、コロナ収束まではまだ時間がかかるでしょうから、私たちは当面「ウィズコロナ」の生活を当たり前のこととして受け入れなくてはならないでしょう。そうした中、事務所への出勤と在宅勤務のバランスをどう取るのかということが議論されはじめています。

このテーマについて考える参考となりそうな興味深い記事があります。1年以上前の記事ですが今でも教訓として活かせそうです。マネーフォワードというクラウド会計サービスを提供している会社の人事本部長が書いたものです。
在宅勤務には、
・通勤がない分時間に余裕ができて心身への負担が軽減される
・電話がかかってこないし人から話しかけられないので仕事に集中できる
などのメリットがあることは、よく言われていることです。
しかし、一方で、
・仕事以外の社員コミュニケーションが減った
・面識がない社員とオンラインで話をすると表情などが読みづらく気を遣う
・コミュニケーションがメールなどのテキスト中心なので感情面が把握しにくい
といった課題もあるようです。
この記事でもリアルで会えばフレンドリーな人も、オンラインでミーティングしている表情は堅くて怖かったりクールな雰囲気で取っつきにくかったりする、ということが画像入りで紹介されています。確かにオンラインでは直に会うよりも表情や雰囲気が格段に読みにくいですね。
そうした経験を踏まえてこの会社では今後、出社と在宅をどういう形で進めていくべきか議論しました。当初、「生産性を重視して全面的に在宅勤務にすべきだ」「社員コミュニケーションを保つために週1回は出社すべきだ」といった議論が続きました。果てしない議論が続いて社員が疲れ果てた頃、この会社の社長が「生産性や合理性の話だけでなく、僕たちはどんな会社をつくりたいのか?仕事を通して我々がどう成長し楽しむのか?を考えよう」と発言したのです。そして、この言葉がきっかけとなってみんなが納得できる働き方に関するコンセプトができました。
この記事は様々な面で興味深かったのですが、一番印象に残ったのは上の社長の言葉でした。私たちは会議の場などで発言する際に、事実の報告や対応すべきことなど目先のことにとらわれる傾向があります。例えば全社員が集まるイベントを企画する場合でも、何をするか、どういう風に盛り上げるか、という点にばかり目が行きがちです。しかし、そのイベントには必ず開催する目的があるはずです。その目的=何のためにやるか、そのイベントが終わった後、我々はどういう状態になっていたいのか、ということを絶えず念頭に置きながら議論をせねばなりません。
何のためにやるのか、どうしたいのか、どうなりたいのか、ということをしっかりと定めると、その後の具体策を議論する際の判断軸ができます。ああでもない、こうでもない、という堂々巡りの議論になってしまうのは、概ね、判断軸がないことが原因です。目的やあるべき姿が明確になれば、どうするか、の議論の際に判断が容易になり、合意しやすくなります。上のマネーフォワードはまさにその好例と言えるでしょう。
さて、今後のウィズコロナの生活においても同じアプローチで考えた方がよさそうです。私たちはどういう会社でありたいのか、そのために具体的に何を実現せねばならないのか、それを実現するためには勤務の形態をどうすればよいのか、という順に考えればよりよい施策になるのではないでしょうか。
ぜひあるべき姿から議論してみてください!