コロナ感染が世界中に広がっている中、台湾は発症者を極めて少数に抑えることに成功しています。
これまでの感染者の累計は558人、死亡者は7人に留まっています。
これは、台湾当局が、2003年のSARSの経験に基づいて、新型コロナウイルスの感染の初期段階から検疫を強化するなどの初動対応が功を奏しているからだそうです。
先日、台湾のコロナ対策を特集しているテレビ番組を見ましたが、政府の責任者が先頭に立って感染防止に取り組んでいることがよくわかりました。
その中で私が印象に残っているのは、「ピンクのマスク」のエピソードです。

台湾政府のコロナ対策本部の定例記者会見で「ピンク色のマスクをつけた男の子が、学校でからかわれ、恥ずかしい思いをしている」
という声が紹介されました。
それを聞いた政府対策本部の本部長は、他の本部のメンバーと一緒に定例記者会見にピンク色のマスクをつけて出席しました。
「ピンク色もいいですよ」とコメントしたということです。
記事はこちらを参照ください。
私はこのエピソードを見て、実にいい話だなぁ、と思うと同時に、日本話し方センターでお伝えしていることと通じる物があるな、と思いました。
それは、
「子供は親の言うとおりにはしないが、親のするとおりにする」
ということです。
もし、台湾の対策本部のメンバーが、白いマスクをつけたままで、
「ピンクのマスクは恥ずかしくない」
と言ったとしたら、それなりの効果はあったでしょうが、ピンクのマスクをつけて会見するほどのインパクトはなかったでしょう。
率先垂範で自らピンクのマスクをつけたからこそ、説得力もグンと上がり、ニュースにも取り上げられたのだと思います。
これと同じように、親が子供に「勉強しなさい」といくら口だけで言っても、親がさっぱり勉強していなければ、子供は勉強する気にはならないでしょう。
「お父さんだって家でテレビ見たりして勉強していないよね。僕も学校ではちゃんと勉強してるから家では遊んでいていいでしょ」
などと思うのではないでしょうか。
しかし、親が家で勉強する姿を見せれば、子供は自分も勉強しないといけないな、と思うかも知れません。
同じことは上司と部下の間でも言えます。
例えば、日本話し方センターでは、人間関係をつくる最初の一歩は「あいさつ」であり、ぜひ実行してください、とお伝えしています。
その際、目上の人ほど率先してあいさつするようお願いしています。
日本話し方センターの話し方教室には、上司という立場の人もよく参加しています。
そういう立場の人たちが部下に、あいさつを実行しよう、といくら口で言っても自分からあいさつしなければ社員や部下はあいさつをしないでしょう。
上司が自らあいさつをするから「この人は本当にあいさつが大切だと思っているんだな」ということが部下に伝わるのです。
台湾の対策本部の人たちも、自らピンクのマスクをつけることで、他の人の心を動かしたのですね。
日本話し方センターのベーシックコースや2日間集中コースは、人前であがらずに話せるようになるということとともに、人間関係をよくする話し方も力を入れてお伝えしています。
上に書いた、自ら実行しよう、というのもそのうちの一つです。
ぜひ各コースの案内ページをご確認ください。