日本話し方センターの話し方教室では、単に話の仕方をトレーニングするだけではなく、コミュニケーション全般について講義を行い、実習で具体的なご指導をしています。
その中で、相手にきちんと聞こえる話し方もトレーニングの対象としています。

ベーシックコースでは毎回、スピーチ実習を行っています。
受講生は様々に個性豊かな話をしてくださいますので、聞いていてとても楽しいです。
しかし、話し方のトレーニングを受けに来ていただいている皆さんですので、当然ながらその話し方や話の内容には改善の余地があります。
そして、多くの方に共通する改善点の一つに、言葉をハッキリと発音する、ということがあります。
先日、ある受講生がスピーチの中で「この間、友達とフェスに行きました」という一文を話されました。
しかし、私にはその「フェス」という単語がハッキリと聞き取れず、「フェウ?」「フェン?」「フェイ?」など推測しているうちにスピーチが頭に入らなくなってしまいました。
この方は、全体的に早口で、滑舌にも改善の余地がありました。
このスピーチでは、どこに行ったのかを聞き手にちゃんと理解してもらわないと、あとの話がつながりません。
従って、この一文では「フェス」という単語はとても重要なのです。
では、どのように話せばよかったのでしょうか。
改善点の1つ目は、聞き取りにくい言葉はできるだけ避ける、ということです。
「フェス」という単語は短いし弱い発音になるので、聞き取ってもらいにくい言葉です。
できれば、「ジャズフェスティバル」や「バンドコンテスト」など、聞き取りやすい言葉にした方がよいでしょう。
2つ目は、大切な言葉は、他の言葉と違う話し方をする、ということです。
「フェス」という言葉を話すなら、
・「フェス」の前と後に少し間を置いて、
・「フェス」をゆっくりと大きめの声で発声します。
伝わりにくいかも知れませんが「この間、友達と フ ェ ス に行きました」という感じで話します。
こうすることで、聞き手が大切な言葉を聞き逃すことが少なくなります。
3つ目の改善点は、滑舌をよくする、ということです。
日本人は、一般的に滑舌が悪い人が多いといわれています。
滑舌が悪い理由は主に2つです。
1つは、口をきちんと開いていないことです。
「あ」なら口をタテに大きく開く、「い」なら口の端をしっかりと引く。
口の形をきちんと作らないまま発音するので、歯切れが悪くあいまいな音になってしまいます。
話し方教室では、口をきちんと開けるように、「口の体操」を毎回やっています。
これを家でも毎日やっている人は、滑舌が格段によくなってきます。
滑舌が悪いもう1つの理由は、子音の発音が弱いことです。
日本語は母音が強いので、普通に発音すると子音がとても弱く聞こえます。
先述の「フェス」も「ス」の「S」の発音が弱いと、途端に何を言ったのか分からなくなります。
滑舌が悪い人の話を聞いている人は、はっきりと聞こえない部分は推測して埋めながら話を聞いています。
だから、すごく疲れます。
人に気持ちよく話を聞いてもらうために、滑舌をよくすることはとても大事です。
人から「今、何て言ったの?」と聞き返されることが多い方は、上に述べたことを実践してみてください。
きっと聞き返される回数が減っていくはずです。
日本話し方センターの話し方教室では、コミュニケーションの取り方全般について様々な切り口で、その方に会ったご指導を行っています。
その成果は多くの受講生が実感されています。
ぜひ一度「受講生の声」をご確認ください!