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★大事なことを一回しか言わない?

「これから大事なことを言います。一回しか言わないからよく聞いて」
このような話し方は、誰でも一回は聞いたことがあると思います。とても大事なことなので注意深く聞いて欲しい、という思いから緊張感を持たせるために「一回しか言わない」と言っているのでしょう。しかし、この話し方で相手にきちんと伝わるでしょうか。

また、経営者や部門長が会社や部門の方針や自身の考え方を、期初の朝礼などで話すことがあります。しかし、その後の朝礼などで期初の話を繰り返して話す人はあまりいないようです。実際、「この話は以前にしたから、社員に『なんだ、この間聞いた話じゃないか。もう知っているよ』と思われないために、同じ話はしないようにしている」と数人の経営者から聞いたことがあります。
でも、この伝え方で方針やトップの考え方が社員に伝わるでしょうか。

★話し手の勘違い

上の2つに共通しているのは、『話し手の勘違い』です。その勘違いとは『自分が一度話したことを相手はきちんと聞いて覚えている』ということです。確かに、聞き手はきちんと聞いていると思います。しかし、人は話を聞きながらも、(今日のお昼に銀行に行かなきゃ)や(あっ、あの件、課長の耳に入れて置いた方がいいな)など、ついつい別のことを考えてしまうものです。その間、話を聞くことはおろそかになっており、きちんと聞けていません。また、別の要因として、話が10分以上続くと聞き手の集中力はなくなっていきます。長い話ほど聞いてもらえないし、理解してもらえません。
これらが原因となって、話をきちんと聞いていない人は相当数いるのです。

また、その時は話を聞いて理解できたとしても、その話をいつまでも記憶している人は少ないでしょう。そもそも『大事な話』だと思っているのは話し手の方であり、聞き手全員がその話が大事だと思うとは限りません。大事だと思っていない話は忘れてしまうのが人間として自然なことです。

これらのことから、話し手が思っているほど、聞き手は話を聞いていないし、覚えてもいないのです。

 

★大事なことは繰り返して言う

従って、トップが組織の方針や自分の考えを伝える場合、朝礼で1回だけ言うのではなく、何度も話さねば聞き手の記憶に残りません。但し、漫然と何度も同じ話を繰り返すのではなく、少し工夫すればより記憶に残る話にできます。
以下に、そのポイントを2つ述べます。

 

◆繰り返していることをきちんと示す

一つ目は、何度も言っていることに言及することです。
「以前から何度も言っていることですが、とても大事なことなので、繰り返し伝えます」
「今日も同じ話をします。少しお付き合いください」
その人の人柄に応じて言い方は様々ですが、以前から同じ話をしている、ということをはっきりと言うことが肝要です。これを言わないと聞き手は
(前から何度も聞いている話だけど、覚えていないのかな?)
(また同じ話してるよ。もう社長もいい歳だから自分が何を話したのか忘れたんだな)
など余計なことを考えさせてしまい、話を聞かなくなってしまいます。
聞き手に話しに集中してもらうために、また話の重要性を共有してもらうために、分かっていて敢えて同じ話をしている、ということを伝えることが大切です。

◆主旨を短い言葉で伝える

二つ目は、伝えたいことの主旨を短い言葉にまとめることです。
「我々の事業の本質は、人に自信を取り戻してもらう、ということです」
「ぜひ『常に考える』ことを意識してください」
人は長い話を聞いても記憶する際にはその主旨を短い言葉にします。話をしていて相手から「要するに△△ということが言いたいのね」と言われることがあります。この例のように、人は聞いた話の要旨を要約して覚えようとするのです。であれば、最初に話の主旨を短い言葉でまとめて話し、その後で解説や説明をすれば聞き手の理解は格段に進むでしょう。また、短い言葉でまとめた主旨は覚えやすいので、話を記憶してもらえる確率も高くなります。

リーダーにとって、自分の思いや方針を社員に伝え、記憶に留めてもらうことはとても大切なことです。そのために、大事なことは何度も繰り返して言いましょう!

 

★伝え方を基礎から学びましょう!

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