日本話し方センターの2日間集中セミナーに参加されたKさんは、本業とは別に社会貢献を行う団体で活動されています。

少し前、その団体の会合でのあいさつについてアドバイスして欲しいというご依頼がありました。

Kさんは間もなくその団体の会長に就任されるとのことです。

アドバイスをする前に、以前の会合で現在の会長さんがあいさつをしているビデオを見せてもらいました。

あいさつの概要は次の様なものでした。

「本日はご参加いただき、誠にありがとうございます。

おかげ様で、本日はお忙しい中、こんなに多くの方に参加いただきました。

おかげさまで皆様と楽しく過ごすことができ、素晴らしい会合になりました。

私は今年で会長職を辞し、来年は皆さんと同じ立場でこの会合に参加することになります。

来年も引き続き、宜しくお願いいたします。

本日はご参加いただき、ありがとうございました。」

 

私はこのビデオを見た後、Kさんに質問をしました。

私:「Kさんはどんなあいさつをしたいのですか?この方のようなあいさつですか?」

Kさん:「いや、もう少しマシなあいさつがしたいんです」

私:「なるほど。では、何が物足りないのでしょうか?」

Kさん:「ん~。何だかありきたりな感じがします」

私:「確かにそうですね。この方は特にこれが言いたい、という目的意識を持たずにあいさつをされているように感じます。

だから通り一遍のあいさつに感じるんだと思います。

Kさんがあいさつをされるなら、そのあいさつで何を伝えたいのか、をはっきりさせましょう。」

 

人は、話をする目的を考えずに話してしまうことが非常に多いです。

上のようなあいさつに限らず、会議でも会議の目的を意識せずに思いついたことを発言しているシーンに度々出くわします。

人は、考える時には視野が狭くなるので、何のために話をしているのか忘れてしまう、ということはある意味自然なことです。

 

Kさんとの会話が続きます。

私:「Kさんは会長に就任されたら、メンバーに何を伝えたいですか?」

Kさん:「私たちが行っている社会貢献活動は大変意義があることだ、ということを伝えたいと思っています」

私:「いいですね~。では、Kさんのあいさつは団体の活動は社会的に意義があるのでこれからも盛り上げていきたい。

そのためには会員の結束を固めたい、という趣旨でまとめられてはどうでしょう」

Kさんは私の提案に納得されました。

そして原稿を作って本番に備えてスピーチ練習をされています。

 

話には必ず目的があります。

例えば日常会話なら人間関係をよくする、という目的があります。

この目的を意識すれば、相手の気分を良くするような話の仕方を心がけるようになるでしょう。

また、会議であれば、会議の種類に応じた目的があります。

物事を決めるのか、情報を共有するのか、会社の方針をしっかりとりかいするのか、など。

その目的が明確なら、目的実現に向けた発言ができるでしょう。

話す時に、その目的を意識するだけで今までと違う話ができるのです。

 

日本話し方センターの各コースでは、上に述べた目的を意識して話すということなど、話し方やコミュニケーションに関して幅広くご指導しています。

その成果は多くの受講生が実感されています。

是非「受講者の声」をご確認ください!