日本話し方センターのベーシックコースでは最終回となる12回に受講生がこの教室で学んで得たことをスピーチします。私はいつもそのスピーチを聞かせていただいた感想を受講生全員の前でお話しています。先日もこの成果発表スピーチを聴いて「皆さん、上手だなぁ」と思いました。しかしそれと同時に気付いたのです。「皆さん、お上手ですね」と言われて参加者はどう思うだろうか? 嬉しいと思うかも知れませんが「どこが?」や「なぜそう思ったの?」という疑問が浮かぶのではないでしょうか。そう考えると「上手ですね」というのは抽象的な言葉であり、これだけを言ったのではほめたことにならない。そう思ったのです。

なので、私は受講生に次のような話をしました。
「今日の皆さんのスピーチを聞かせていただいて、私は『皆さん、とてもお上手だなぁ』と思いました。まず、皆さん、とてもハキハキと話をされていましたし、ほとんどの人が間を取っているのでとても聞きやすかったです。また、落ち着いて聞き手を一人ひとり見ながら話していたので、聞いていてとても安心感がありました。これは、受講中に声に出してスピーチの練習を何度もされた成果だと思います。練習をしないとここまでのレベルの話はなかなかできません。さらに話の内容が実際にご自身が行動を変えた、チャレンジした、というものでしたので、とても説得力がありました。実際に体験し、その成果に納得した話は、話していてもすごく気持ちが乗るものです。それが聞き手に素直に伝わります。皆さんは、今日、とても気持ちを乗せて話をされていましたね。以上のことから私は皆様の話がとてもお上手だなぁ、と思いましたし、聞き応えのある話をしていただいたことに心から感謝しています」
少しくどくなってしまいましたが、私が感じたことをそのままお伝えしました。
日本話し方センターのベーシックコースや2日間集中セミナー、オンライン短期集中トレーニングコースのカリキュラムの中に「ほめことば」の講義があります。その中で、人をほめる上で重要なことは「具体的なことをその場でほめる」ことだと説明しています。
「うまいね~」「よかったよ!」「素晴らしい!」「いいね~」
こうした言葉だけで部下や子供をほめることはよくあると思います。しかし、せっかくほめるなら本人がそのほめた行為を繰り返しできるように具体的にほめた方がいいですね。
「さっきの会議で誰も気付いていない点を指摘してくれたね。おかげでとてもいい議論ができたよ。ありがとう!」
「今日の朝礼のスピーチ、私も反省させられたよ。相手の立場に立って考えないといけないね。ありがとう!」
「さっき道で困っている人に声をかけていたね。あの人、とてもうれしそうだったよ。素晴らしい!」
もっとも最近では、ほめる、という行為が上から目線のように取られる場合もあります。なので、上の例のように感謝のことばを添えるとより伝わりやすくなるでしょう。
ぜひ実行してみてください。
日本話し方センターの各コースでは、上手な話しのしかたとともに「ほめことば」のように人間関係をよくする話し方をとても重視しています。人間関係をよくする話し方ができるようになりたい、と思われている方はぜひ無料体験にお越しください。