ネットでこんな投稿を見つけました。
「夫が「腹いっぱいや。幸せやな」と言ったのを、夜一人で思い出して、一人で嬉しくて泣いてしまった話」

この投稿をした方のご主人は幼い頃食事に関して厳しくしつけられたため、食事が嫌いでした。
しかし、そのご主人が「腹いっぱいや。幸せやな」と言ってくれたのがとてもうれしかったそうです。
投稿では、
「本当に夫は食事が嫌いだった。そんな夫がさ、お腹いっぱいで幸せだって言った。思っただけじゃない。
ちゃんと夫の言葉で伝えてくれた。 これがねー、嬉しくて嬉しくて。」
とありました。
私はこれを読んでとても温かい気持ちになりました。
家庭内では思っていてもそれを口にしないことが多いですね。
でも、それを素直に言葉にしたご主人はすごいなぁ、と思ったのです。
それと同時に、自分の言葉で自分の気持ちを話す、ということは、全ての話をする場面ですごく重要な要素だな、とも考えました。
家庭内での話に限らず、仕事でも面接でも、自分の気持ちや考えをしっかりと話す、ということは、相手に伝わる話をする上でとても重要なことです。
「それは当たり前のことじゃないの?」と思われる方も多いと思います。
しかし、話し方教室の受講生の皆さんは、講座スタート間もない頃のスピーチでは、自分の気持ちや考えをほとんど話されません。
では、どうして自分の気持ちや考えを話せないのでしょうか。
それには幾つかの要因があると感じています。
1つは、事実を正確に言おうという意識が強すぎることです。
特に仕事で話をする場合、私たちは事実を正確に伝えることを要求されます。
仕事で上司に「君の話はさっぱりわからない」と言われたりすると、余計に事実を伝えることに集中してしまいますね。
その結果、細大漏らさず伝えねばならないという意識が強くなり、本当に伝えねばならないことだけでなく、不要なこともベラベラと話してしまいます。
そのあげく、「で、君はどうしたいの?」と聞かれて戸惑ってしまう。
こうした経験はどなたにでもあると思います。
事実を話すだけでは、実はあまり価値はありません。
その事実をどのように解釈して、どういう行動をするか、どういう提案をするか、ということに価値があります。
ぜひ報告は必要な事実だけに留め、その解釈やその事実をもとにした行動を話すことを意識していただきたいと思います。
もう1つは、自分の気持ちや考えのつかみ方が浅い、ということがあります。
受講生のスピーチでも「うれしかったです」「とても残念でした」という話をされることがあります。
しかし、これではどのようにうれしかったのか、何がどういう風に残念だったのか、ほとんどわからないので聞き手はモヤモヤしてしまいます。
こういう話を聞いた後、「どのようにうれしかったのですか?」と聞くと、「ん~・・・」としばらく考えてから、「話が伝わった、という感じがしたからでしょうか・・・」といった反応を示す方が少なくありません。
このように、自分の気持ちや考えをきちんと整理して言葉にする、という意識が少し薄い方が多いように思います。
「聞き手に自分の話が始めて伝わった、ということが実感できて、とてもうれしかったです」
「私は絶対に一番になりたいと思って頑張ってきました。わずかの差で2位になったのは自分の努力が報われない思いがしてとても残念でした」
このように言えば、相手に事実も自分の気持ちも伝わり、共感を得ることができるでしょう。
どうような場面でも、自分の気持ちや考えを話すことはとても大切です。
日本話し方センターのベーシックコースや2日間集中セミナーでは、自分の気持ちや考えを適切に伝えることにも重点を置いてご指導しています。
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