日本話し方センターでは3ヶ月で全12回を終了するベーシックコースを開催しています。
先日そのベーシックコース受講者のAさんが5回目の講座の実習でスピーチをしました。滑舌が良く「え~、あの~」ということばぐせも出ませんでした。2分の制限時間に対して1分50秒で話の長さも申し分ありません。自宅でしっかりと練習をしてきたことがすぐにわかりました。これから練習していけばもっともっと素晴らしい話ができるようなるだろうな、と思いました。
担当講師も私と同じ気持ちだったようで、上に述べたような感想を伝えた後、話がもっと上手くなるためのアドバイスをしました。このアドバイスは聞き手に伝わる話ができるようになるためにとても大切なことだと思いました。皆さんにもぜひ意識していただきたいので以下にご紹介します。

1点目は「話を具体的にする」ということです。Aさんのスピーチの内容は次のようなものでした。
「私は今まで人前で話す際、ほとんど準備をしなかったので途中で頭が真っ白になることがよくありました。しかし、前回の講義を受けてから暗記するまで繰り返し練習して話をするようにしているので、スムーズに話せるようになりました」
この内容でも何が言いたいのか充分に伝わります。しかし、内容が表面的で聞き手に感銘を与える域には達していません。どうせなら聞き手にインパクトを与える話にしたいですよね。そのためには話を具体的にする必要があります。話は聞き手が頭の中でイメージできるものの方がより伝わります。具体的にするとイメージがしやすくなるのです。
上の話を具体的にするとこんな感じになります。
「前回の講義後、最初に会社の朝礼で話す際に声に出して30回以上練習して臨みました。そうしたところ、話す前のドキドキが少なくなり話を始めても以前のように頭が真っ白にならず、言葉がスムーズに出るようになりました。メンバーから『今日の話、わかりやすかったですよ』と言ってもらえて自信がつきました」
話を具体的にするには、ある場面を切り取って話すという手法があります。これにより聞き手に格段にわかりやすい話にすることができます。
より上手な話にする2点目は「抑揚をつけて話す」ということです。話は人に気付きを与えたり行動を起こしてもらったりするために行うことが多いです。特に経営者や管理職の場合はそういう局面が多いでしょう。そして、そのためには聞き手に話に「共感」してもらう必要があります。いくらわかりやすくてよい話をしても共感が得られなければ人の気持ちは動きません。また行動を起こそうとはしません。聞き手の共感を得るためには、話に感情を込める必要があります。気持ちを込めて大げさなくらい抑揚をつける。一文を話したら3秒くらい間をあける。こういう話し方を意識していくと抑揚の効いた、人の心に響く話が自然にできるようになります。
さて、ベーシックコース受講生のAさんは上に述べた2点を素直に受け入れて実行してくれました。そしてその後の講座が進むたびに話し方が目に見えて変わってきました。話が具体的で気持ちのこもったものになってきたのです。ご自分で説得力のある話ができているという手応えを感じているのか、Aさんの表情も余裕を感じさせる和らいだものになっています。
Aさんに感想を聞くと「アドバイスを受けて練習していくうちに、段々と話すことが楽しくなってきて自分の気持ちを乗せて話すことができる用になりました」と言ってくれました。私は「話すことが楽しくなってきた」という言葉にとても感動しました。Aさんの今後の更なる上達が今からとても楽しみです。
日本話し方センターのベーシックコースや2日間集中セミナー、オンライン短期集中トレーニングコースでは、受講者の希望を伺い、また講師がお一人おひとりの特性を見ながらアドバイス、ご指導をしています。
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