在宅勤務が普及しても会議の数は相変わらず減りません。しかしながらその会議を効率的・効果的に進めていると自信を持って言える人は少ないのではないでしょうか。会議を生産性の高いものにして今費やされている膨大な時間を節約できれば、組織の収益性は飛躍的に高まるはずです。
私は会議を生産性の高いものにするための知識とスキルをお伝えするファシリテーションセミナーを数年前から開催しています。今回はそのセミナーでお伝えしている、会議の生産性を高める重要なポイントについてお話したいと思います。

1つ目に重要なことは「会議のゴールを考える」ということです。会議が終わった後、どういうことが決まっていればいいのかを具体的に考えます。例えば、よくこういう会議のテーマを見かけます。
・次の社員研修について
・今年の社員親睦会について
・今年の新卒採用について
この議題で「自由に意見を言ってください」と促されても、会議で何を決めるのかわからないので意見の言いようがありません。
・次の社員研修の開催有無、開催する場合は集合形式・オンライン形式のどちらにするかを決める
・今年の社員親睦会をどのような形で行うか、できるだけアイデアを出す
・今年の新卒の採用方針を決める
このように具体的に会議のテーマを設定すると、ゴールもイメージしやすくなります。

2つ目は「論点を明確にする」ということです。ゴールを決めたら次に具体的に何について意見を出してもらうか考えます。それが論点です。例えば、上の例にある「次の社員研修は集合形式・オンライン形式のどちらにするか」というテーマで会議を企画したとします。この判断を下すのに必要な論点として、次の様なものがあるでしょう。
・研修の目的は何か
・研修の対象は誰か
・目的に沿ったカリキュラム案にはどういうものがあるか
・どれくらいの時間が必要か
・上記に相応しいのは集合・オンラインのどちらか
こうしたことが明確でないと集合かオンラインかは決められないはずです。しかし、多くの会議では参加者が集合とオンラインのメリット・デメリットを思いつくままに話します。散漫な意見のやり取りになりますので終了時間が来ても結論が出ません。また結論が出ても後で振り返ってみると、なぜその結論になったのか説明できないという事態になります。説明責任を伴った意思決定をするためには、論点をしっかりと定めることがとても重要です。

そして、3つ目は「論点ごとに原案を提示する」ということです。参加者が「はい」か「いいえ」で判断できるレベルの具体的な原案を提示することです。会議が始まってから「研修の目的はどうしましょうか?」などと意見を求めていたのでは時間がかかりますし、様々な意見が出て集約することが難しくなります。これでは生産的な会議とは言えません。決定すべき事項の論点を事前に洗い出し、それに対する原案を考えておくと参加者は「賛成」「反対」で判断できます。その結果、意思決定が早くなります。
例えば、上の例であれば、
・研修の目的は「お客様に良い印象を持ってもらうマナーを身につけること」とします。最近、お客様から御社の担当はマナーがよくない、というお話をよくいただくからです。
・対象は「既存顧客の担当者」とします。今回の研修は予算の制限から10名しか参加できません。最もマナー改善が必要な上記社員を優先的に対象とします。
など、論拠とともに原案を作成します。このように原案を提示することで、効率的・効果的=生産的な会議が実現できます。

慣れるまでは大変かも知れませんが、この3点を実行してみてください。驚くほど会議の生産性はあがるはずです。