目次
1.効果的な自己紹介の秘訣
日本話し方センターの各コースでは、スタート時に参加者に全員の前で自己紹介をしてもらいます。
あなたは自己紹介に目的があることをご存じですか?
実は、話には全て、その話をする目的があります。
それをきちんと認識して話すのと認識せずに話すのとでは、話す効果に大きな差が出ます。
自己紹介の目的は、自分の名前を覚えてもらうこと、自分の人柄を印象づけることです。

しかし、場合によっては、その場の人と良い人間関係を作る、という目的もあります。
その目的のために、効果的な話し方の手法があります。
それは、前の人が話したことを引用して話す、ということです。
例えば、
- 「先ほどのKさんと同じく私も岩手県の出身です」
- 「Iさんの趣味はギターとのことでしたが、私はピアノが趣味です」
- 「Yさんは税理士とのことですが、私も今税理士を目指して勉強中です」
という具合です。
このように話すと、引用してもらった人は、引用してくれた人に間違いなく好感を持ちます。
そして、お互いの関係を縮めるきっかけにすることができます。
2.話と話をつなぐ
上記は、人の話と自分の話をつなぐ例でした。
この『話と話をつなぐ』ということは、自己紹介だけでなく、話をする上でとても有効なものです。
日常会話、会議での発言、スピーチなどあらゆる場面で使えます。
例えば、会議の場を例にとって考えてみましょう。
会議では、その場で決めたことや共有したことに参加者が共感、納得することがとても重要です。
そのために『話をつなぐ』ことでお互いを肯定し合ったり、認め合ったりすることが肝要なのです。
- 「先ほどの『このイベントは社員の絆作りのために行う』というBさんの話に『なるほど』と思いました。この目的をしっかりと頭に入れて議論すべきですね」
- 「さっきMさんが『これは今必要なことかなぁ』とぼそっと言ったけど、確かに我々は他に優先すべきことがないか、ということを考えていなかったように思います」
- 「Pさんの『そんなことをする時間なんかないよ』という発言は多くの社員の気持ちを代弁しています。そうした人たちに理解してもらえる説明の仕方を考えねばなりませんね」
会議の参加者の発言を受けとめて、その言葉に感じたことや気付いたことなどを肯定的に話します。
そうすると、先に発言した人と自分の気持ちがつながって、共感性が高まります。

3.相手を否定しない
このように、『話と話をつなぐ』効果は、伝わる話をする上でも、また、人間関係を良くする上でもとても効果があります。
しかし、この手法を使う場合に留意すべきことがあります。
それは、その人の発言を肯定的にとらえるということです。
発言に対して否定的にとらえてしまうと共感は生まれません。
話す目的を意識すれば、そうした発言は絶対に控えるべきです。
しかし、現実にはある人の発言に対して「ちょっと違うな」と思うこともあるでしょう。
そういう場合は、共感できる部分をまず言ってから問題提起をする、という形で発言するとよいでしょう。
例えば、社内のイベントを企画する会議に出席している際に、Hさんの発言に対して、あなたが
「今回の社内イベントの目的が社員の絆作りというのはいいと思うけど、いきなりは無理だよなぁ。
主催者だけが盛り上がって、ほとんどの社員はシラケているといったイベントになっちゃうよなぁ」
と思ったとします。
この否定的な気持ちや意見を、少し冷静に考えて共感できる部分と疑問に思う部分を分けて整理してから発言すると、違った話ができるはずです。
「私は今回の社内イベントでは、社員がお互いに理解を深められるといいな、と思っています。
その点で、先ほどのHはさんが言われた社員の絆作りを目的とすることはすごくいいと思います。
ただ、1回のイベントでいきなり絆を作るのは難しいと思うので、まずは絆作りが大切だという認識を社員に持ってもらうことから始めてはどうでしょうか」
こうした発言なら、先に発言した人も自分の発言を受け止めて、更に掘り下げてくれた、と感じて共感が生まれるでしょう。
話を『つなぐ』のは、発言を引用することでお互いの気持ちを『つなぐ』効果があります。
従って、『つなぐ』ためにはお互いの話を肯定的に聞くことが必要です。
ぜひ意識してみてください。

4.話し方を勉強しませんか?
今回は『話と話をつなぐ』ということについて解説しました。
話し上手になるためのポイントは他にも色々あります。
効果的な話をするためには、それらを体系的に学ぶことがとても効果的です。
日本話し方センターのベーシックコースでは、今回お話した『話をつなぐ』ことを初めとして、様々な話し方に関する知識を体系的にお伝えし、それらに沿ったトレーニングを行っています。
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