目次

1.話の伝わり度合いは人間関係が左右する

「何を言っているか分からない。もういいよ!」

ベーシックコースを受講しているKさんは、上司に報告するたびにこのように言われていました。

その度に落ち込み、「分かり易い話ができるようにならねば!」と思い、受講を決意しました。

確かに、Kさんの話し方には改善の余地があります。

しかし、この事象の原因は、それだけではなかったのです。

 

実は、Kさんは上司との人間関係が良くなかったのです。

Kさんは出社した時、挨拶せずに上司の机の前を素通りしていました。

また、同じ職場にいてもKさんから上司に話しかけることはなく、上司から呼ばれたり、報告することがある時だけ話していたのです。

こうしたKさんの態度のために、上司はKさんのことを快く思っていなかったのです。

そのため、上司はKさんの報告を進んで理解しようとせず、

「相変わらず訳の分からない話をしているな」

とはねつけていたのです。

Kさんから自ら挨拶していないという話を聞いた私は、

「Kさん、まず上司に挨拶するようにしましょう」

とアドバイスしました。

Kさんは素直に私のアドバイスを実行してくれました。

上司は毎日挨拶するKさんに次第に好感を持つようになり、挨拶を返すだけでなく、挨拶後に雑談をするようになりました。

それに連れて上司との人間関係は見違えるほどよくなりました。

そして、Kさんの報告を聞く上司の態度も以前とは異なり、

「ん~、よくわからないけど、つまり〇〇ということが言いたいのかな?」

とKさんの話に助け船を出すなど、好意的に聞いてくれるようになりました。

 

このように、人間関係は話の伝わり度合いに大きな影響力があります。

話が伝わらない、という悩みのある方は、話し方を改善するとともに、ぜひ人間関係の改善にも目を向けてみてください。

2.話したことを行動で示す

では、人間関係を良くするには、どのような点に留意すべきなのでしょうか。

その一つの要素に、日頃の行動があります。

その行動の中でも、特に大切なことは、話したことを行動で示すことです。

 

例えば、常々朝礼などで

「何事も自分事ととらえて仕事をしてください」

と言っている部長が、お客様からのクレームに対して、

「いや~、私はそのお客様とお会いしたことがないからな~」

と、クレーム対応から逃げてしまったら、どうでしょうか?

その部のメンバーは

「なんだ、自分事としてとらえるように言ってたけど、口先だけなんだな」

と思い、その日から部長が何を話しても真剣に聞こうとはしないでしょう。

 

人は、自分のことを理解してもらったり、人に動いてもらったりするために話をします。

しかし、その人の話している内容と行動が矛盾していると、人はその人を信頼できなくなり、話を聞かなくなります。

上の例で言えば、クレーム対応を部下任せにしている部長は、何事も自分事ととらえて仕事をしていない、と思われても仕方ありません。

ひょっとしたら、この部長は

「何事も自分事としてとらえるべきだが、会ったことがないお客様には対応のしようがない」

と思っているのかも知れません。

しかし、話は「聞き手がどうとらえるか」がとても重要です。

部員も同じように思っているのか確認しない限り、その考え方は部長の独りよがりとしか言いようがありません。

このように、話したことを行動で示すことで、他の人から信頼され、よい人間関係が築けるのです。

3.時間を守る

また、行動面で重要なことは、時間を守ることです。

「時間を守るなんて当たり前じゃないか」

と思うかも知れませんが、私たちは案外時間を守れていません。

例えば、皆さんの周りで会議にいつも2~3分遅れてくる人はいませんか?

そういう人は、少しくらい遅れても自分は時間を守っている、と思っているかも知れません。

しかし、時間通りに着席している人にしてみるとその間、自分の時間を奪われているのです。

待っている間イライラしているでしょうから、平気な顔をして2~3分遅れて入ってきた人を信頼する気にはなれません。

人に信頼されるためには、時間は必ず守らねばなりません。

4.約束を守る

もう一つ、守らねばならないものがあります。

それは、約束です。

自分の言ったことはその通りに行動すべきですが、すべてを言ったとおりに行動するのは中々難しいものです。

場合によっては、言った通りに行動していなくても、他の人がさほど気にしないこともあるでしょう。

しかし、約束したことを守らないと人は間違いなく不信感を持ちます。

逆に約束したことを必ず守る人であれば、他の人はそれだけでその人を信頼します。

特に仕事に関する約束、お金に関する約束は、人の記憶に残るので必ず守るようにしましょう。

 

社会的な活動をする上で、時間と約束は常に人が意識する項目です。

これらを確実に守ることで他の人の信頼が得られます。

そうすることで、話を聞いてもらえる人間関係が築けていくのです。

人に話を聞いてもらうには、人から信頼されることがとても重要です。

そのために、話したことを行動で示し、時間と約束を守ることを心がけましょう。

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