日本話し方センターのベーシックコースでは、講師が話し方やコミュニケーションに関する講義をした後、受講生が2分間のスピーチをします。話し方を学ぶ上で人のスピーチを聞くことはとても大切です。他の人のスピーチを聞くと実に多くの学びや気づきが得られます。またその話が具体的だと聞き手は話してと同じような体験を擬似的にできます。更に、話を聞いて考えることで自分の意見を持つ訓練にもなります。

 

先日、受講生のHさんが次のようなスピーチをしてくれました。

Hさんは弟さんとあることで言い合いになってから気まずくなり、十数年、口をきいていませんでした。Hさんはその状態が常々良くないと思い、何とかできないかと常々思っていました。そうしたところ、ベーシックコースの初回講座であいさつの大切さの講義を聞きました。これだ、と思ったHさんは、ある日、思い切って弟さんに「おはよう、元気?」と話しかけました。すると、弟さんはビックリしながらも「う、うん。おはよう、兄貴は元気?」と返事を返してくれました。それから「今どうしてるの?」などと近況をお互いに報告し合い、会話が続きました。そして、最後には「じゃあ、今度久しぶりに飲みに行こうか」という話になりました。

私はこの話を聞いて、次のように考えました。
・仲が良くなかった人との関係が修復するという経験は中々できるものではない
・勇気を出して話してみると、わだかまりがあっさりなくなることもある
・話しにくい人と話すきっかけを作るあいさつは本当に大切だ

また、別の日にIさんはこんなスピーチをしてくれました。

2年ほど前、旅行でハワイに行くために家を出て成田空港に向かいました。ところが、台風の影響で空港までの交通機関が大幅に遅れており、電車、バス、タクシーを乗り継いで出発時間ギリギリに空港に着きました。急いでチェックインをしようとしたところ、パスポートがありません。よくよく考えて見ると途中のバスの中に忘れたことを思い出しました。仕方なく、その日はバス会社まで行ってパスポートを受け取って家に帰りました。翌日の飛行機は満席でビジネスクラスしか空きはありません。行くのをやめようかと迷いましたが、現地で待ち合わせている人がいるので思い切って片道30万円するビジネスクラスでハワイに行きました。

これもすごい体験ですが、私が考えたことは次の通りです。
・待ち合わせを守るために片道30万円を払ったIさんは本当に誠実な人だ
・パスポートを途中のバスに置き忘れることがないよう、大切なものは油断せずにこまめに確認すべきだ
・行動する前に状況を把握しておくことで不必要なトラブルは防げるはずだ

話し方教室に限らず、人の話を聞く機会は様々にあります。それらの話を積極的に聞き、自分の中にストックしていくことで話のネタが増えていきます。また、その話について様々な切り口で考えることで自分の意見を持ちやすくなります。これを習慣にしていくことで、どんな場面でも話ができるようになっていきます。

 

日本話し方センターのベーシックコースでは、話の材料の集め方をはじめ、話し方やコミュニケーションに関して幅広くご指導しています。そして実習を毎回行うことで自分でスピーチを作りながら、また他の受講生のスピーチを聴きながら考えたり感じたりする訓練を積んでいます。その成果は多くの受講生が実感されています。ぜひ「受講者の声」をご覧ください!