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★できればいいスピーチをしたいもの
コロナが5類に移行してから半年が経とうとしています。
町の様子はすっかりコロナ前の状態に戻り、大都市では通勤電車も以前同様に混み合ってきました。
出勤する日が多くなり、朝礼や会議を対面で行う機会が増えてきています。
それに伴い、人前でスピーチすることも多くなってきた、という人も少なくありません。
朝礼などでスピーチをする際、できれば聞いている人に納得してもらい、「良いお話でしたね」と言ってもらいたいものです。
そこで、今回は、人に納得してもらえるスピーチをするコツについてお伝えします。

★事実しか話さないスピーチはつまらない
ここで、少し前にベーシックコースを受講されたTさんの例をご紹介しましょう。
私はTさんから自身のスピーチについてアドバイスを依頼されました。
その話の概要は次の様なものでした。
- 出張のために、羽田から札幌までのチケットを予約した
- 当日、空港のカウンターに行って搭乗手続きをしたら、係員に怪訝な顔をされた
- 「あの~、お客様は札幌出発で羽田到着のチケットを予約されていますが・・・」
- 逆方向のチケットを予約していたことに、一瞬頭が真っ白になった
- しかし、その後、係員が羽田発札幌着のチケットを取り直してくれた
- 事なきを得てホッとした
私はこのTさんの話を聞いて、ストーリーはよくできているな、と思いました。
その反面、とても物足りなく感じた部分がありました。
それは、話が事実の説明中心でTさんの気持ちや考えがほとんど述べられていないことです。
話をする目的は、人に共感してもらったり「なるほど」と納得してもらったり、言ったとおりに動いてもらったりすることです。
この目的のためには、自分の気持ちや考えをきちんと言わねばならないのです。
この点が不足しているスピーチは、聞いていてもつまらないものになってしまいます。
★言いたいことをきちんと考える
ところで、話には「話題」と「主題」があります。
「話題」とは、上のTさんのエピソードのように経験したことや見聞きしたことそのものです。
一方、「主題」とは、この話題から一番言いたいことを短い言葉で切り取ったものです。
Tさんのスピーチなら、次のようなものが主題となります。
- 思い込みに気をつけよう
- 確認を習慣にしよう
- 相手の気持ちに寄り添うサービスをしよう
この「主題」には、その人の気持ちや価値観が表れてきます。
Tさんの話は話題としては面白いのですが、「主題」がないため今一つ、つまらない話になっています。
スピーチでは、ぜひ自分の気持ちや考えを「主題」にまとめてから話していただきたいと思います。

★主題は1つに限らない
ところで、「主題」は1つの「話題」から幾つも出てきます。
この主題を幾つか考えることで、話はよりしっくりくるものになります。
先ほどのTさんのスピーチを例にどんな主題が考えられるか、見てみましょう。
この話を振り返って、購入したチケットが正しいと思い込んで、購入後一度も確認しなかったことを反省せねばならないと思ったのなら、
「間違いないか再確認するクセを付けよう」
という主題が出てくるでしょう。
また、係員の親切かつ迅速な対応に感激したことが一番印象に残っていて、自分もそういう対応をせねばならないと思ったのなら、
「人の気持ちに寄り添う行動をしよう」
という主題を思いつくかも知れません。
更に、幸い空港に早めに行ったのでチケットを変更する余裕があったことが一番心に残っているなら、
「常に余裕を持って行動しよう」
という主題になります。
このように、1つのエピソード=話題から、自分の気持ちや考え=主題は色々と出てきます。
時間に余裕があるなら、最近の心に残ったエピソードをもとに、色々と主題を考えてみましょう。
考えた主題の中で一番自分がしっくりくるものがあれば、それが自分の価値観に近いものなので自分探しの材料にもなります。
主題は、はじめはなかなか浮かんでこないかも知れませんか、慣れればすぐに思いつくようになります。
「話すことは考えること」です。ぜひチャレンジしてみてください。

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