最近、テレビである大臣が記者会見をしている姿を見て、少し驚きました。

ずっと下を見て、ひたすら汗をかきながら、原稿を読み上げているのです。
それも実にたどたどしく。
この人は、聞いている人に何を伝えたいんだろうか?
官僚が作成した原稿を間違いなく読み上げることだけしか考えていないんだろうか?
その映像を見ていて、色々なことが頭を駆け巡りました。
あんな読まれ方をしたら、官僚も作成した甲斐がないでしょうね。
そして、その映像を見ているうちに、そういえば、話し方教室に来られる人にもプレゼンテーションが苦手という人が多いな、ということに思いいたりました。
記者会見のように原稿をもとに話をする場合でも、パワーポイントのような投影資料を使って話す場合でも、共通して大切なことがあります。
今回はプレゼンの注意点を幾つかお伝えします。
1つ目のポイントは、話す時は必ず聞き手の方を見る、ということです。
原稿や投影資料をずっと見ながら話をするのは、単なる読み上げであり、プレゼンではありません。
プレゼンの目的は、聞き手の心を動かすことです。
ずっと聞き手を見ずに話をしていたのでは、聞き手は自分に向けられたメッセージだとは絶対に思えません。
その結果、どんなに分かり易い話をしても、聞き手にとっては自分とは関係のない、心に響かない話になってしまいます。
原稿を見る時には話す内容を確認するに留めて話しはせず、話す時には原稿から目を上げることが大切です。
目線は常に聞き手に向けることを心がけてください。
2つ目のポイントは、話した後の聞き手の反応を見る、ということです。
上に述べたように、プレゼンは聞き手の心を動かせたかどうかが大切です。
そのためには、話をしながら聞き手の反応を確認せねばなりません。
同じことを伝えるにしても、聞き手に合った話し方やストーリー、例話があります。
例えば、若い世代の聞き手に松下幸之助の話をしても、なかなか共感してもらえません。
うなずくなど、熱心に聞いているそぶりの人が多い場合は、今のプレゼンでよいでしょう。
しかし、首をかしげたり、話に集中できていない様子の人が多い場合は、話の仕方や説明のロジックを少し変える必要があります。
もちろん、これを臨機応変に行うのは準備やそれなりの経験が必要です。
しかし、まずは、話しながら聞き手の反応を見る、ということを習慣づけることが重要です。
3つ目は、一文を短くして、話と話の間に空白、つまり「間」を入れる、ということです。
マシンガンのように矢継ぎ早に早口でプレゼンする人がいますが、そうした話を聞き手は充分に吸収できません。
話をする場合、聞き手がその話を理解する時間を作ってあげねばなりません。
そのためには、まずきちんと理解できるように、一文を短くする必要があります。
そして、その一文を理解する時間を確保するために、話し終えた後、しばらく黙ります。
その間に、聞き手の反応を見るのです。
4つ目は、用意した資料はきちんと読み上げる、ということです。
中には、せっかく用意した投影資料を読み上げずに、いきなりその解説をするプレゼンターがいます。
多分、自分は何が書いてあるのかわかっているので、それを単に読み上げるだけでは価値がない、と思ってしまうのでしょう。
しかし、聞き手はその資料を初めて見ます。
何が書いてあるのか、当然知りません。
書いてあることと違うことを話されると、読めばいいのか、聞けばいいのかわからなくなってしまいます。
用意した資料の内容はきちんと伝えた上で、その解説を行うべきです。
以上、いくつかプレゼンのポイントを申し上げましたが、これらは頭で理解してもなかなか実践できません。
意識しながら場数を踏むことが大切です。
参考にしていただければ幸いです。