目次
1.プレゼンが苦手なKさん
「上司から取引先へのプレゼンを任されたけど、私はプレゼンが苦手なのでうまくできる自信がないんです」
ベーシックコースを受講しているKさんは、休憩時間に私にこのような話をしてくれました。
私は教室終了後、Kさんに少しプレゼンをしてもらいました。
そして、その場で次の2つのアドバイスをしました。

2.スライドを読み上げる
1つ目は、スライドに書いてあることをきちんと読み上げることです。
Kさんは、スライドを映しながら、底に書いてあることを一所懸命に解説してくれました。
しかし、その話の内容は書いてあることを深く掘り下げる内容で、聞いていて話がつながらなくて混乱してしまいました。
Kさんのように、プレゼンの際にスライドに書かれていることをきちんと読み上げないで、書いてあることに関する解説ばかり話す人が散見されます。
プレゼンをする人はスライドを作成しているので、その内容はもちろんよく理解しています。
なので、スライドに書いてあることをただ読み上げるだけではつまらないし、そうしたプレゼンには価値がない、と思ってしまうのは自然なことだと思います。
Kさんに確認すると、たしかにそういう気持ちがあるので、少しでも書いてあることと違うことを言おうとしているとのことでした。
しかし、聞き手は投影されているスライドを初めて見ます。
書いてあることと違うことを話してしまうと、聞き手は読めばいいのか、聞けばいいのかわからなくなり、結局どちらも理解できなくなってしまいます。
従って、プレゼンをする際は、スライドに書いてあることをきちんと読み上げて、まず聞き手の認識レベルをプレゼンターと同じ状態にしましょう。
その上で必要な補足説明をすれば、聞き手はストレスなくプレゼンターの話を聞くことができます。

3.大切な言葉を繰り返す
2つ目は、大切な言葉を繰り返し話すことです。
Kさんは先を急ぐ気持ちがあるのか、次々に話を進めていき、聞いている私が置いてきぼりになることが、短時間の間に何度かありました。
プレゼンでは、伝えたいことを凝縮した重要なキーワードを話すことがあります。
そうしたキーワードは聞き手に印象づけるように話したいものです。
しかし、多くのプレゼンターはこうした大切な言葉も、他の言葉と同じスピードでさらっと話して終わってしまいます。
Kさんもまさにこのタイプでした。
とても勿体ないことです。
聞き手は常に集中して、プレゼンターの話を一言も聞き漏らさずにいるわけではありません。
それまでの話を聞いてちょっと考えていたり、話を聞いているうちに全然違うことが頭をよぎってそちらに気を取られたりすることはよくあることです。
また、プレゼンターの滑舌が悪いと、参加者が集中して聞いていたとしても、キーワードが聞き取れないということもあるでしょう。
従って、大事なキーワードは、意識的にゆっくり繰り返す必要があります。
これにより聞き手は大事なことを聞き逃すことなく、話をよりきちんと理解することができます。
4.ストーリーで話す
そして、Kさんに伝えませんでしたがプレゼンで大切なことをもう1つご紹介します。
それは、プレゼンにストーリー性を持たせることです。
プレゼンでは、聞いている人が理解しやすいように、全体の構成を事前に十分に吟味することが不可欠です。
その際、多くの人は、自分が話したいことを、自分が話したいように並べます。
しかし、プレゼンは聞いている人に理解して欲しいことを、聞いている人が理解しやすいように構成することが非常に重要です。
この点は特に留意して準備いただきたいと思います。

先日、私は中小企業診断士協会の研修に参加しました。
その際の講師は、中小企業を取り巻く環境の変化、現状の企業動向、政府の中小企業施策、経営者へのアンケートの結果などを説明してくれました。
しかし、その日の講師は、残念ながらそれらの項目について一所懸命に説明するだけで、項目間の結びつきや関連性などの説明が全くありませんでした。
なので聞いていて「さっき説明のあった環境変化とこの政府の施策とはどういう関係があるのだろう?」などと疑問に思うことが多く、話が全く理解できませんでした。
それぞれの項目は大事な話かも知れませんが、次々に関連性のない話をぶつ切りでされると、聞き手は何が言いたいのか分からず、疲れてしまいます。
その結果、集中力を失い、話を聞かなくなってしまいます。
こうしたことを防ぐために、プレゼンを行う際には、
「こういう環境の変化に対して、企業はこういう行動を起こすべきであり、政府はその行動を支援するためにこういう施策を打ち出している」
というような、話の全体構造が分かるようなストーリーを作る必要があります。
人は何かを理解する時、ストーリーがあるととても理解しやすくなります。
一見バラバラに思えるものでも、
「では、今申し上げた環境の変化に対して企業はどういう捉え方をしているのか、という点について次にお話します」
と、そのつながりを示すことで話は格段に理解しやすくなります。
プレゼンで理解して欲しいことを明確にし、そのために必要なことをストーリー性を持たせて話すようにしましょう。

5.プレゼンにも活かせる話し方を学びましょう!
以上、Kさんの例を示しながら、プレゼンの際に気をつけることを3つお話しました。
これらに共通していることは、聞いている人の立場に立って話す、ということです。
日本話し方センターのベーシックコースや2日間集中コースでお伝えしていることは、全て「話は相手ありき」という考え方がベースになっています。
プレゼンをする際にも活かせる学びや気づきが盛りだくさんです。
ぜひ受講をご検討ください!