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★自分という役を演じる
何年か前のお話で恐縮ですが、テレビで矢沢永吉さんのエピソードを紹介していました。
ある番組でアナウンサーが矢沢さんに、
「今もし矢沢さんが死んで天使が迎えに来たとします。その時、矢沢さんは天使に何て言われたいですか?」
と質問しました。
すると、矢沢さんはすかさず、
「決まってるよ。『お疲れさん、矢沢永吉って役はどうだった?』って訊かれたいね」
と答えたそうです。
私は、その話を聞いて目から鱗が落ちる思いがしました。
矢沢さんは自分の好きな音楽を自由奔放にやっている、というイメージを強く持っていたからです。
でも、この話を聞いて矢沢さんは「矢沢永吉という役」を演じていたんだ、ということが初めてわかりました。
これは私にとって、とても印象に残る言葉でした。
また、別の番組で歌手の松任谷由美さんがインタビューに答えていました。
詳しいやり取りは思い出せないのですが、そのインタビューの中で松任谷さんは、
「だって~、私はそういう商品だから・・・」
と言っている場面があったのです。
私はその言葉にもかなりハッとしました。
松任谷さんも、自分が好むと好まざるとに関わらず、世間が期待している「松任谷由実」という役割を演じていたのです。
考えて見ると、私たちもそれぞれの立場で「私という役を演じている」という側面があります。私の場合だと、
・日本話し方センターの代表という役
・アタックスのグループサポート本部メンバーという役
・家庭での夫、父親という役
これらの役をそれぞれに演じています。だから、家にいる時と職場にいる時とでは態度も話し方も表情も違います。

★オンラインではテンションが低くなる
ところで、このことに関連して気付いたことがあります。
それはオンラインミーティングに関することです。
私たちは、オンラインでミーティングを行うと次のような感想を持つことがよくあります。
・参加者がよそよそしくて話しづらい
・発言しても誰も聞いてくれていない気がする
・参加者の反応が分からないので進行しにくい
これらはオンラインではついついおとなしい雰囲気になってしまうことが原因です。
私たちは職場ではその雰囲気から少なからず仕事モードになることができます。
しかし、オンラインでは自宅でいることか多く、また画面を見ながらなのでテレビを見ているような、一種の『お客様感覚』になりがちです。
つまり、職場のような仕事モードになりにくいのです。
オンライン参加者全員がそうしたテンションの低い状態だと、ミーティング自体も気の抜けたものになってしまうのも無理はありません。
★オンラインでは意識して自分を演じる
そう考えると、オンラインで話す場合は、自分の言いたいことを伝える役を演じている、という意識を持つ必要がありそうです。
そもそも人に話をするということは、聞き手に何か伝えたいはずです。
その際には、一人静かに事務仕事をしている自分とは違うテンションやパフォーマンスで話をしないと、聞き手には伝わりません。
実際、日本話し方センターの講師の中には、「スピーチをする時はスピーカーという役を演じる気持ちで話してください」と伝えている人もいます。
人に何かを伝えるには、それなりのインパクトが必要です。
そのインパクトを出すためには、あえて普段の自分を捨てて、その場面に相応しい役を演じることも必要なのです。
職場にいる時は、自然に仕事モードになるのでそれほど意識しなくても『役を演じる』ことができています。
しかし、オンラインでは先に述べたように、何もしなければテンションが低い状態のままですので、敢えて意識して『役を演じる』ことが必要なのです。
皆さんもオンラインではぜひ、普段とは違う自分を演じてテンションを上げてみてください!

★ベーシックコースで学びませんか?
日本話し方センターのベーシックコースでは、スピーチ実習を通してインパクトのある、相手に伝わる話し方をご指導しています。
そこには、自分の殻を破って、自分という役を演じることも含まれています。
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