日本話し方センターのベーシックコースでは、毎回2分間のスピーチをしてもらうことで、受講生の話し方のトレーニングをしています。
3回目と4回目のスピーチのテーマは「あいさつを実行して」です。
今までと少しだけ違うあいさつをしてみて、自身の気持ちの変化、相手の言動の変化などについて話してもらっています。
今さらあいさつなんて、と思われる方も多いと思いますし、当然の反応だと思います。
しかし、この課題に取り組んでもらった人の多くが、人間関係が明らかに変わったことを実感されています。
そして、その成果を聞き応えのあるスピーチで披露されています。
先日も、受講生のAさんは素晴らしいスピーチをされました。

Aさんには、小学校と幼稚園に通うお子様がいます。
子供達には常日頃、「大きな声であいさつしないとダメだよ!」と言っているそうですが、子供達はなかなか言ったとおりにはしません。
それがちょっとしたストレスになっていました。
ベーシックコースの1回目であいさつの本当の意味や目的、効果的なあいさつの仕方などを学びました。
そして、それを実行することが宿題になったので、Aさんはご自分のお子様に、自分から大きな声で「おはよう~!」とあいさつすることにしたのです。
早速実行してみると、お子様達は二人とも、大きな声で「おはようございま~す!」とあいさつをかえしてくれました。
そのとき、Aさんは気付きました。
大きな声であいさつをしていないのは、子供達ではなく、自分自身だったんだ、ということに。
ベーシックコースでは、
子供は親の言うとおりには行動しないが、親がするとおりに行動する
ということをお伝えしています。
Aさんは、まさにこのことを日常の中で体験されたのでした。
それからは、学校や幼稚園でも、Aさんが率先して「こんにちは!」とあいさつをしています。
お子様達も、それに続いて「こんにちは!」と大きな声であいさつをするようになった、とのことです。
私はこのスピーチを聞いて、胸が熱くなりました。
Aさんがご自身に改善すべき点があったことに気づいて素直にそれを認め、行動を変えられたことが、とても素晴らしいと思ったのです。
Aさんは、この教室であいさつの話を聞くまでは、自分が言ったようにあいさつしない子供達が悪い、と思っていました。
しかし、自らあいさつすることで、子供達があいさつしないのは自分の行動が良くなかったからだ、と気づかれたのです。
日本話し方センターで大切にしている言葉に「言葉の後に行動あり」というものがあります。
口先でいくらいいことを言っていても、その後の行動が伴わなければ周りからの信頼は得られません。
また、そんな人の言うことを聞こうとする人もいません。
上司が言うから、親が言うから言うことを聞く、という時代は遙か昔に終わっています。
口だけでなく自ら行動することでひとを動かす時代にになっているのです。
日本話し方センターのベーシックコースや2日間集中セミナーでは、話し方だけでなく、コミュニケーション全般に関する講義を行い、トレーニングを行っています。
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