先日、テレビコマーシャルを見ていて、ふと気が付いたことがありました。

私は録画した番組をよく見るのですが、珍しくリアルタイムでテレビを視聴していました。

番組の合間に流れるコマーシャル。

その時、ふと「あれ? このコマーシャル、なんだかすごく長いな・・・」と感じたのです。

気になって、次に同じコマーシャルが流れた際に時間を計ってみると、1分でした。

普段、私たちが目にするコマーシャルは15秒、長くても30秒程度です。

それらに慣れているせいか、1分という長さに違和感を覚えてしまったのでしょう。

一緒に見ていた家族も「このコマーシャル、長いね」と言っていたので、私だけの感覚ではないようです。

目次

1.なぜ、私たちは「長い」と感じるのか?

このコマーシャルを見て、私は「長い話」について考えてみました。

例えば、皆さんの職場の朝礼スピーチはいかがでしょうか。

私の経験では、5分程度のスピーチが多いと感じています。

しかし、その5分のスピーチを、あなたは集中して聞けているでしょうか?

その話に感銘を受け、心を動かされた経験はどれくらいあるでしょうか?

残念ながら、多くの人は「ノー」と答えるのではないでしょうか。

なぜなら、朝礼で5分も話されると、聞いている側は「長い」と感じて集中力を失ってしまうからです。

話は長ければ長いほど、真剣に耳を傾けてくれる人は少なくなっていきます。

つまり、長い話は相手に伝わらない、という現実がそこには存在するのです。

 

2.「長い話」のデメリット:ビジネスシーンにおける深刻な影響

ビジネスシーンにおいても、「長い話」は様々なデメリットをもたらします。

  • 会議の効率低下: 無駄な話が多ければ、会議の時間が長くなり、本来議論すべき重要な議題に十分な時間を割けなくなります。
  • 誤解の発生: 要点が不明確な話は、聞き手に誤解を与え、意思疎通の齟齬を生じさせます。
  • 信頼性の低下: ダラダラと話す人は、自信がない、準備不足であるといった印象を与え、周囲からの信頼を損なう可能性があります。
  • 機会損失: 相手の時間を無駄に奪うことで、ビジネスチャンスを逃してしまうこともあります。

このように、「長い話」は、個人の評価だけでなく、組織全体のパフォーマンスにも悪影響を及ぼしかねないのです。

3.「長い話」を克服するための2つの秘訣:簡潔で伝わる話し方へ

日本話し方センターのベーシックコース2日間集中コースでは、

「話は人の時間を奪って聞いてもらっているのだから、できるだけ短くすべき」

という原則を徹底しておつたえしています。

そして、短く話すためには、事前に話すことを整理しておくことが不可欠だと伝えています。

では、具体的にどのように整理すれば良いのでしょうか? ここでは、特に重要な2つのポイントをご紹介します。

 

① 言いたいことを明確に意識する

話が長い人の多くは、自分が何を言いたいのかを明確にしないまま話し始めてしまう傾向があります。

例えば、上司に仕事の報告をする際に、以下のような話し方をする人をよく見かけます。

「先ほど、P社を訪問してきました。いつも対応してくれる係長が外出中だったので、代わりに課長が対応してくれました。

課長にお話しするのは初めてですし、かなり頑固そうな人だったので緊張してしまいました。

まぁ、とりあえず、新しい提案はしてきたんですが。ん~、何だかまだまだ自分の説明は下手だなぁ、と実感しました。~」

このような話し方では、上司は何が言いたいのか分からずイライラするでしょうし、本人も話しているうちに(え~と、あれ? 何を言いたかったんだっけ?)と戸惑ってしまうでしょう。

こうした話し方にならないために、報告の前に、以下の3つのポイントを明確に意識しましょう。

  • P社に新たな提案を行ったところ、競合他社との機能比較を求められた。
  • 競争力を高めるために製品の品質向上が必要である。
  • コスト削減策も検討すべきである。

このように、話す前に言いたいことをハッキリと意識し、その言いたいことに関することだけを話すように心がけましょう。

② 言いたいことを1つに絞る

話す前に「アレも話そう。コレも話そう」と、言いたいことを4つも5つも考えて、それらを一度に話そうとする人がいます。

また、話している最中に頭に浮かんできたことを、そのまま次々に話してしまう人もいます。

残念ながら、そのような話し方では、相手に効果的に情報を伝えることはできません。

言いたいことを一度に幾つも話すと、聞いている人は混乱してしまいます。

聞き手は、話を理解する際に

「ああ、要はこの人は〇〇ということが言いたいんだな」

と、聞いていることを短い言葉でまとめようとします。

一度に幾つもの話をされると、頭の中でこのまとめる作業ができず、

「この人は何が言いたいんだろう?」

という状態に陥ってしまいます。

例:上司への報告を分割する

上述の上司への報告を、次のように一気に報告したのでは、上司は話を理解できません。

「昨日、P社を訪問して先方に新たな提案を行ったところ、競合他社との機能比較を求められました。我々としては競争力を高めるために製品の品質向上が必要かもしれません。また、コスト削減策も考えねばなりません。」

分割して伝えることで、理解度を向上させる

上記の例の場合、言いたいこと3つを一つずつ、以下の手順で話すようにしましょう。

  1. P社に新たな提案を行ったところ、競合他社との機能比較を求められた:いつ訪問したのか、相手の反応はどのようなものだったのか、などを具体的に話します。
  2. 競争力を高めるために製品の品質向上が必要:なぜそう考えたのか、実現できそうなのか、などを加えながら話します。
  3. コスト削減策も検討すべき:同様に、具体的な根拠や実現可能性について言及します。

この話し方であれば、「話が長い」と思われる心配は軽減され、一方的な情報伝達ではなく、建設的な対話へと発展させることができます。

4.「長い話」から脱却し、人を惹きつける話し手になるために

今回は、「長い話」を短く、そして分かりやすくするための2つの重要なポイントをお伝えしました。

しかし、長年の習慣となっている話し方を、自分だけで改善することは容易ではありません。

そこで、日本話し方センターのベーシックコースでは、経験豊富な講師陣が、受講生一人ひとりの状況に合わせて、ステップ・バイ・ステップで短くて分かりやすい話ができるように個別指導を行っています。

数多くの受講生が、その効果を実感されています。

ぜひ受講者の声をご確認いただき、あなたも「長い話」から解放され、自信を持って話せるようになるための第一歩を踏み出してください。