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★あなたはどんな注意の仕方をしますか?
突然ですが、あなたに一人住まいの息子さんがいて、その部屋を訪れたところ、こんな状態だったとします。
これを見たとき、あなたは息子さんにどのように言うでしょうか?

①:「ちゃんと片付けなさい」
②:「服はたたんでタンスにしまいなさい。床に落ちているものは拾って片付けなさい。ゴミ袋は玄関に持って行きなさい」
普段、多くの方は①の「ちゃんと整理整頓しなさい」という言い方をしているのではないでしょうか。しかし、それでいいかどうか、①の言い方と②の言い方を比較して考えたいと思います。

★相手の理解度に応じて話し方を変える
この2つの言い方を「抽象的か具体的か」という観点で考えてみましょう。
①は②よりもかなり抽象的です。何をどうすべきかは全く言わず、片付けなさい、ということしか言っていません。従ってあなたが何が問題でそれをどうすべきと考えているか、息子さんが自分で考えなければいけません。一方、②の言い方は①よりもはるかに具体的です。息子さんはあなたが何をどうすべきと考えているか忖度する必要はなく、言われたことをやればよいのです。
この2つの言い方のどちらが適切かは息子さんの「整理整頓」に対する理解度によります。あなたが整理整頓についてどのレベルを求めているか、息子さんがある程度分かっているのなら①の言い方でいいでしょう。(実際に息子さんが「片付けよう」という気になるか否かはここでは置いておきます)。一方、あなたがどういう状態の部屋が望ましいと考えているかを息子さんが今一つちゃんと理解していない場合は、②の言い方でないと問題は解決しません。
上の話は、息子に対する親の言い方を例にしましたが、この「抽象と具体」は、仕事上のコミュニケーションでも意識すべきことです。細谷功さんの著書「『具体⇄抽象』トレーニング」に興味深い話が書かれていました。

★部下の認識レベルに応じた話をする
上の図は、仕事を依頼する人(以下、「上司」とします)と依頼される人(以下、「部下」とします)の認識の違いを図にしたものです。部下が抽象的な言い方でも自分で考えて仕事が出来るなら、上司は抽象的な言い方で充分で「任せるのがうまい上司」と思ってもらえます。また、部下が具体的に細かな指示が欲しいと思っている場合に、上司が細かな指示を出したときは「面倒見のよい上司」と思ってもらえるでしょう。これらは何れも上司と部下の認識レベルがあっているのでコミュニケーションはスムーズです。
しかし、部下が抽象的な言い方でよいと思っているのに上司が具体的な指示をしてしまうと、小うるさい上司だと思われてしまいます。(「マイクロマネジメント」)また、部下が具体的な指示がないと動けないのに上司が抽象的な言い方しかしないと相手は「丸投げされた」と不満を持ってしまうでしょう。
★『抽象と具体』のレベル感を意識する
このように、相手の理解度や能力に合わせて具体的に言うべきか、抽象的な表現でよいのかが変わってきます。取引先やメンバーに仕事の依頼をする場合は相手にきちんと動いてもらわないといけません。私たちは往々にして自分の言いたいことを自分の認識レベルで語ってしまい、相手がどのように聞きたいかということを意識しないことがよくあります。その結果、指示がきちんと伝わらず、お互いにストレスを感じてしまうのです。こうした事態を避けるために、相手の「抽象と具体」のレベル感に合わせた話し方をぜひ意識してください。
★相手を意識した話し方を身につけませんか?
日本話し方センターでは、上で述べた『相手に合わせて話をする』ということを講義や実習の中で折りに触れて伝えています。実際にどの場面でどのように考えて話すべきか、具体的にご指導しています。その結果、多くの受講生に相手に伝わる話ができるようになっていただいています。ぜひ受講をご検討ください!