日本話し方センターのベーシックコースや2日間集中セミナーを受講される方の8割以上は「人前であがる」というお悩みをお持ちです。先日の2日間集中セミナーを受講されたGさんも、人前に出るとあがるのを何とかしたい、という思いで参加されました。

セミナーでは、何度も声に出してスピーチの練習をした後で参加者全員の前で話すということを繰り返します。このトレーニングを行うと、参加者はセミナーの中盤を過ぎた頃には全員の前で話をしてもあがっているようには見えなくなります。実際はとてもあがっているのですが、本人が意識しているほどには他の人にはあがっていないように見えるのです。しかしGさんは、セミナーの終盤にさしかかっても相変わらずあがっている様子が見て取れました。
これを見て講師は次のようなアドバイスを行いました。人がいない廊下に2人で出て、講師はGさんから7~8メートル離れたところに立ちました。
「Gさん、ここにいる私にはっきりと聞こえるくらい大きな声で話してください」
それまでGさんは大きな声でスピーチをしていませんでした。はじめはどの程度大きな声を出せばいいのか戸惑った感じでした。
「もっと大きな声で!」
「もっと勢いのある声で!」
Gさんのスピーチ練習の途中で講師が度々声をかけます。次第にGさんの声が大きくなって講師にはっきりと聞こえるようになりました。
「Gさん、いいですよ~。それくらいの大きな声でやってみましょう!」
その後、全員の前でスピーチしたGさんは、以前より大きな声で、あがっていると感じさせることなく堂々と話をしました。
大勢の前でスピーチをするとき話し手は、聞き手が発するある種の圧力を感じています。スピーチが苦手で気後れしている人はこの聞き手の無言の圧力に負けてしまいます。大勢の目が怖い、と感じる人は少なくないと思いますが、これも聞き手が発する圧力の一種です。この圧力に負けないためには、話し手も圧力を発して聞き手の圧力をはね返さねばなりません。そのためにとても効果があるのが「大きな声で話す」ということなのです。
大きな声で話すと、話し手には自然に勇気が湧き、自信を持って話しているという気持ちになることができます。話しているときの気持ちの持ち方は、皆さんが思っているよりもはるかに話の伝わり方に影響するものなのです。なので、少しでも自信が持てるように大きな声で話す、ということは話をする上でとても大切なことです。
一方、聞き手も大きな声で話している人の話には引き込まれます。小さな声の話は耳に迫ってこないので他のことに注意をそらしてしまいがちです。しかし、大きな声は耳に迫ってくる分、その話に意識を向けやすいのです。スピーチだけでなく、上司への報告、各種の面接、会議での発言など様々な場面で「大きな声で話す」と格段に伝わりやすくなります。普段、小さい声で話すクセがある人は少しずつでもいいので、大きめの声で話すことを意識してください。
日本話し方センターのベーシックコースや2日間集中セミナー、オンライン短期集中トレーニングコースでは、声の出し方や滑舌、話の組み立て方や話の仕方そのものなど、話し方に関するあらゆる知識をお伝えし、それをスキルにしてもらえるようトレーニングをサポートしています。受講生一人ひとりに相応しいアドバイスを行っています。ぜひご受講ください!